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Q1

エコアイスのカタログに馬力表示がありますが、それが使われた経緯、また、kWへの単位換算について

馬力による表示は主にパッケージエアコンなど小型の機器に使用されております。圧縮機出力0.75kWをおおよそ1馬力で換算しています。

馬力表示に関する経緯として、以前のエアコン、冷凍機は現在のように圧縮機とモーターの一体になった密閉型でなく別置きでモーターと圧縮機をベルトで接続して駆動しており、モーターの出力により馬力換算しておりました。

現在では密閉型の圧縮機が主流のため、内蔵のモーターそのものの出力の測定が難しくなっている他、圧縮機の効率、制御の複雑化などのより能力が簡単に表現できなくなっており、能力(kW)と馬力の正確な換算は難しくなっております。

(一社)日本冷凍空調工業会では、目安として相当馬力と能力(kW)表示の換算表が示されているので参考として下さい。 【50/60Hz】(冷房能力単位kW)

相当馬力 0.8 1.0 1.3 1.4 1.8 2.0 2.3
冷房能力 2.0/2.2 2.5/2.8 3.2/3.6 3.6/4.0 4.0/4.5 4.5/5.0 5.0/5.6
相当馬力 2.8 3.0 3.3 4.0 5.0 6.0 7.5
冷房能力 6.3/7.1 7.1/8.0 8.0/9.0 10.0/11.2 12.5/14.0 14.0/16.0 18.0/20.0
相当馬力 8.0 10.0 13.0 16.0 18.0 20.0
冷房能力 20.0/22.4 25.0/28.0 31.5/35.5 40.0/45.0 45.0/50.0 50.0/56.0

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Q2

氷蓄熱の製氷方式はスタティック方式とダイナミック方式に分かれますが、ディンプルボールや、カプセル方式はどのような分類になるのか。

ディンプルボール等を利用したカプセル式蓄熱は氷蓄熱と同じ潜熱蓄熱になります。学術的に、スタティック方式とダイナミック方式の明確な定義はありませんが蓄熱されたものが固定されているもの(静的)と、搬送され移動するもの(動的)に分類されておりますのでカプセル式は蓄熱材が移動しないことからスタティック(静的)方式に分類できると考えられます。

また、スタティック(静的)方式は内融方式、外融方式と解氷方式が2つに分類されております。カプセル式蓄熱は製氷,解氷に対する冷熱の出し入れが同じである内融式に分類されると考えられます。

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Q3

氷蓄熱空調システムでは氷をどのようにして冷房するのか。また、通常冷房は室内機の蒸発器内で冷媒を蒸発させて室内の熱を奪い冷房するが、氷蓄熱システムはどうなっているのか

冷房運転のメカニズムは標準のエアコンと同様、室内機の蒸発器で冷媒を蒸発させ室内の熱を奪い冷房することは同じです。

以下に氷蓄熱式ビル用マルチの運転パターンを紹介します。夜間製氷時は図のように室外機と蓄熱槽を冷媒が循環し蓄熱槽内に氷を蓄えます。日中の冷房運転時はこの蓄えた氷の熱を利用し冷媒を過冷却し冷房能力をアップさせるので標準のエアコンより小さな機器ですむといった特徴があります。

冷房時:運転モ-ド例【標準ピ-クシフト(過冷却方式)】

蓄熱(製氷)運転【夜間】

蓄熱利用冷房(解氷)運転【昼間】

蓄熱非利用冷房(解氷後)運転【夕~夜】

注)夜間蓄熱運転時、同時に冷(暖)房運転可能な機種もある。

以下に氷蓄熱を利用した冷房時の消費電力低減についての仕組みについて表します。

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Q4

(1)新しく蓄熱システムを導入する際に、現在使用している空調システムに部分的に付け加える(例えば蓄熱槽を付け加える)だけでいいのか。
それとも全て破棄し新設する必要があるのか。

(2)水蓄熱システムの場合、蓄熱槽の水を消防用水や災害時の生活用水にも使えるが、氷蓄熱の場合は可能か。固体の夜間は使えないが、液体になった昼間は使えるようになっているか。蓄熱材としては、単なる水だけではなく、いろいろな物質を混ぜたものもあるが、そのような場合でも生活用水として利用できるのか。

(3)電力平準化で、発電設備の稼動率が現在55%であるが、既存の設備があるので最大電力を下げた新たな設備に投資するのはコスト的な問題があるのではないか。

(4)一般家庭にも蓄熱システムを導入できるようになるまでにはまだまだ技術的、時間的、コスト的にも問題があるのか。

(1)について

ご質問については、既存の空調の種類によって回答の内容が若干変わりますので、「個別分散型の場合」と「セントラル型の場合」の2パターンで回答いたします。両パターン共に氷蓄熱システムに改修する場合とします。

☆ 個別分散型氷蓄熱システムの場合

既存の分散型空調システム(ビルマルチ・パッケージ)に氷蓄熱槽を後付けして、氷蓄熱システムとすることが最近の機種では可能になってきています。ただし、最近の全機種が可能ではなく、後付けが可能な機種は限定されています。既存の分散型空調システム(ビルマルチ・パッケージ)が、後付け可能な機種でないならば、氷蓄熱システムにするには、取替になってしまいます。

☆ セントラル型氷蓄熱システムの場合

既存の熱源機において、製氷運転ができるように改造できるならば氷蓄熱槽を設置し、熱源機から氷蓄熱槽までの配管の付設置等を行う事により、氷蓄熱システムに改修は可能です。
ただし、既存の熱源機を製氷運転できるように改造できないならば、製氷運転可能な熱源機への取替が必要となります。
氷蓄熱システムへの改修は、氷蓄熱槽の設置スペースの検討をふまえて、熱源改修時行われることが多いように思います。

(2)について

氷蓄熱システムは、効率的に解氷を行うために、100%製氷することはありません。(大きくとも80%程度まで)
また、消防用水については、常に一定容量の水が確保される必要がありますので製氷されない水容量が確保できなければなりません。(確保できれば、活用可です)
生活用水については、地震等の非常時を想定して活用を検討しているものですが、濾過器を用いて生活用水として使用することを想定しています。

(3)について

発電設備の設備稼働が55%というのは、年間で均して考えると8,760時間の内55%しか運転していないということですが、電気は備蓄できないという特性から、需要にあわせて製造する必要があるため、季節・時間によって稼動率が高く(冷房需要が大きな要因と言われています)、中間期の夜間は稼動率が低くなっています。
多大な費用を投じて、需要のピークにあわせて発電所を建設しても稼動率が低いままでは非常に非効率的なことになる(将来的には、発電所が需要のピークにあわせて建設できなくなることも予想される)ので、需要側においてピークを押し上げない蓄熱式空調システムの普及促進を図ることは、トータルコストとして非常に有効なものと思います。

(4)について

家庭用の蓄熱システムには、既に何社か開発し発売されておりますので技術的な問題はほとんどないと思われます。家庭用の熱負荷を考えると、冷熱負荷では、昼間の負荷が比較的小さく、夜間の負荷があるため、蓄熱の必要性が小さいことが、家庭用という領域に蓄熱システムが普及していない大きな原因と思われます。
>空調用途としましては、冷房排熱を給湯熱源として蓄えるシステムがあり、給湯におきましては、夜間電力を利用し熱を蓄える電気温水器や最近では自然冷媒によるヒートポンプ給湯器(エコキュート)が発売されております。

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Q5

蓄熱空調って何?

蓄熱式空調システムとは、夜間の安価な電力でエネルギー(冷熱・温熱)を蓄熱槽に蓄え、昼間に利用する空調システムです。

主な特徴として、

  • 安価な電力を活用することによるランニングコストの低減できまる。
  • 空調設備容量の低減できまる。
  • CO2発生量の少ない夜間電力を利用するため環境負荷を低減できる。

従来の空調は・・・蓄熱式空調システムを導入すると・・・

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Q6

(1)冷凍機(チラー)に使われている冷凍トンとカロリーとの換算はどのようにするのか。

(2)蓄熱槽容量でRThと言う単位を見かけたのですがどのような意味なのか。

(1)「冷凍トン」とは、熱源機の冷凍能力などを表す慣用の単位です。

熱量をはかるのには一般的にkcal(キロカロリー)という単位が使われており、これは水1kgを1℃温めるのに必要な熱量を表していましたが、冷凍トンは0℃の水1トンを1昼夜すなわち24時間で氷にする冷凍能力で

1日本冷凍トンをkcal/hで表すと

(79.6×1,000)/24≒3,320 kcal/h

1米国冷凍トンは重量などの単位の違いから

(144×2,000)/24=12,000BTU/h=3,024 kcal/hとなります。

(1トン=2,000lb 凝固熱=144BTU/lb 1BTU=0.252kcal)

現在慣用的な単位で冷凍機の大きさを示す冷凍トンは米国冷凍トン(USRt)です。

現在は能力表記がkcal/hからWになりましたので以下のようになります。

米国冷凍トン(USRt)=3,024kcal/h=3,516.85W

日本冷凍トン(JRt) =3,320kcal/h=3,861.16W

(2)RThという単位は、冷凍能力×時間を示した慣用の単位であり、蓄熱システムを考える場合には、どれほど熱を蓄えることができたか(蓄熱できたか)あるいはどれほど熱を蓄えることができるか(蓄熱できるか・蓄熱容量)を示す熱量の単位として使用されることがあります。(1)で示したUSRtの換算によれば、

RTh=(RT×h)=3516.85Wh=3,024kcalとなります。

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Q7

(1)ダイナミック型に使われているスラリーは、実用段階では、水 ( 氷 ) のみなのでしょうか。例えばパラフィンを水に分散させた潜熱エマルジョンをスラリーにしたものなどあるのでしょうか。

(2)氷スラリーの一般的な構成物質は何でしょうか ? 微細な氷を何かで覆っているのでしょうか。具体的な物質名と構成割合がありましたら、教えていただきたいのですが。

(3)パラフィンを水に分散させた潜熱エマルジョンについてですが、界面活性剤には、どのような物質が使われるのでしょうか ? 具体的な物質名が分かるとうれしいのですが。また、パラフィン1に対して界面活性剤はどの程度必要なのでしょうか ?
また、n- Tetradecane( パラフィン ) を蓄熱材料にした潜熱エマルジョン水は実用化されているのでしょうか ?

(1)ダイナミック型に使われているスラリーは、実用段階では、氷の大きさに種々がありますが、水・氷のみです。パラフィンを水に分散させた溶液については、実用段階ではないと思われます。ただし、不凍液と水を混合させた溶液については、実用段階で存在します。 ( 例 サンウェル・ジャパン バイノーサム溶液 )

(2)構成物質・割合については製造者のノウハウです。Q1で例として述べたバイノサーム溶液は、エチレングリコール又はプロピレングリコールの 8.5 %溶液です。

(3)パラフィンを水に分散させた潜熱エマルジョンの実用例がないので界面活性剤の内容および蓄熱材料として活用については、判りません。界面活性剤については、建築分野では実用例はないのですが、粘性抵抗を低減させる物質として、大規模パイプラインでの活用について、NEDOにおいて研究が行われているそうです。かつて、アメリカ・フィラデルフィア Drexel Univ.でパラフィンを水に分散させた潜熱エマルジョンについて、研究が行われていたそうです。 以上平成 11 年 11 月の回答 追記: 現在蓄熱時の熱源機効率を下げない温度( 5 ℃~ 7 ℃)で槽容量を小さくするため様々な潜熱蓄熱材が研究・開発されていますが、上記のパラフィンを利用したダイナミック型の潜熱蓄熱材としての納入事例があります。今後さらにコスト面、効率面を踏まえた上で開発普及が進んで行くと思われます。

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Q8

(1)氷充填率 (IPF) の計算式について

(2)下記装置の蓄熱槽の能力についての計算式

  • 熱源方式:直膨型
  • 製氷方式:スタティック型、外融形界面増大タイプ
  • 空調機:ファンコイルユニットを使用
  • 解氷時:二次側熱媒 ( 水 ) を循環ポンプで搬送

水槽内:コイル銅管 15.88 を 26.66m 使用

(1)IPFについて

当センターの発行マニュアルでは、以下の様に定義しています。

アイスパッキングファクター。氷蓄熱槽内に如何ほどの割合の氷を蓄えられるかを言う一般用語。製氷率の意味に用いられることが多いが、充槙という言葉の連想で容氷率の意味に用いられることもある。従ってここでは慣用語として定義する。

m I / m wa × 100 (100%)

ここで、m I :生成した氷の質量 (kg)

m Wa :水換算質量 (kg) 氷蓄熱槽の製氷前の実効水位 ( 開放式で水位が変動する場合は水流が無いときの水位とする ) に水のみが満たされているとした時の水の質量。従って、ブライン晶出型の場合は同体積の水に置き換えて計算する。

m We :水換算質量 (kg) 氷蓄熱槽の製氷前の実効水位 ( 開放式で水位が変動する場合は水流が無いときの水位とする ) に水が満たされているとした時の水の有効質量。従って、ブライン晶出型の場合は同体積の水に置き換えて計算する。また、コイルその他の製氷部品の体積は除外する。

*m I / m We = P I :製氷率ともいう。氷を貯える蓄熱槽の、水換算有効質量に対して生成した氷の質量の比。槽内の水をどれだけ氷にすることができるかを示す指標。氷 充槙率( IPF )と呼ばれる事が多いが、実質水に対する比率である事を明確に示すときに製氷率を用いる。

*m I / m Wa = P V :容氷率ともいう。氷を貯える蓄熱槽に水のみが満たされたと仮定して、水換算質量に対して生成した氷の質量の比。ある体積の蓄熱槽の中にいか程の割合の氷を貯えられるかを示す指標。スタティック型氷ではコイル等の内装品の体積の故に、ダイナミック型氷では氷粒子や氷片間に存在する水の故に、最大値は 1.0 未満。氷 充槙率( IPF )と呼ばれることもあるが、槽体積基準であることを明示するときは容氷率を用いる。

(2)装置の蓄熱槽の能力について

蓄熱槽単体の能力は、公式には明確に定義されていません。JIS B 8625「空気調和用氷蓄熱ユニット-試験方式」では、ユニット(冷凍機と組み合わせた)としての蓄熱能力(蓄熱容量)の試験方法が示されていますが、蓄熱槽単体ではありません。単純に蓄熱容量を蓄熱槽の能力とするなら、基準温度(空調利用温度:JISではユニット出口7℃と既定)までの蓄熱水の容量の顕熱と製造された氷の融解潜熱の和で示されると思います。また、公的基準ではありませんが JRA ((一社)日本冷凍空調工業会:製造メーカーが作る工業会)の基準では、融解特性を加味した“正味有効蓄熱容量”を定義しています。これは、満蓄状態から当該ユニットの条件下 ( 二次流量、取り出し温度 ) での容量としています。ここでは取り出し温度は、蓄熱槽から何度まで取り出されるかと定義しており、ユニットとしての出口 ( 空調側への利用温度 ) は定義されておらず、ユニット側で温度調節 ( 冷凍機出口水温と混合させる等 ) をして空調側へ送られる機器を対象にしているようです。

現在の氷蓄熱業界の状況は、各メーカーが独自のシステムを作っており、氷蓄熱槽自体の公式の評価尺度としては IPF しか無いのが現状です。

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Q9

蓄熱槽につながっている冷温水管(白ガス管)が腐食して一部穴があきました。調査した所、温水系統の腐食がかなり進行しています。3シーズン目です。薬注はしています。どう対応したらいいのかご教授下さい。

配管腐食の問題は各種要因が考えられるため、その要因の特定が重要です。腐食の原因は、電池作用によるものが多く、その発生原因は水質に起因するもの、異種金属の接触によるもの、スケールやスラッジによるもの等が考えられます。まずは、その原因を特定し、取り除く事が重要です。具体的には、配管腐食に対する知識を持つコンサルに相談される事をお勧めします。薬注を実施されているので薬注メーカーに問い合わせるか、設計した設計事務所または施工した施工業者に調査を依頼する等が考えられます。

開放システムとクローズシステムとの大きな違いは、開放水面をもっているために水質中の溶存酸素が多い点と補給水が多い点と考えられます。薬注方法(薬剤の種類)も各種方法がありますので、原水水質と考え併せた適切な方法の選択が必要です。一つの方法として、同じ原水を補給水としている同様システムの事例を調査してみるのも良いでしょう。また、最寄の電力会社様に聞いてみるのも方策の一つと考えます。

白ガス管の温水系統は、その亜鉛被覆が温水により剥離が早くなることが多いようです。そのため温水管のダメージが大きいと思われます。

腐食原因の特定後に対策を実施し、その後の水質管理の中で定期的に水質を確認し、各配管材料の溶出イオンに着目した薬注管理が重要と考えます。

質問に対する明確な答えになっていないかも知れませんが、上記のように回答させていただきます。また、参考に当センターで発行した「蓄熱システムの設計・制御」マニュアルの中の第 2 編 蓄熱システムの設計・制御の最適化P185~の7.2水質管理をご参考にして下さい。

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Q10

「冷凍空調水質ガイドライン」の資料がほしい

当財団では蓄熱式空調システムの正確な技術の普及を目指して、「蓄熱システムの設計・制御」「蓄熱システムの施工」「蓄熱システムの試運転調整・検収」「蓄熱システム事例図集」の4種のマニュアルを発行しておりますが、ご質問の内容については、「蓄熱システムの設計・制御」に水質管理の項目で説明しておりますのでその部分をご参考にして下さい。また、冷凍機器メーカーの団体である(一社)日本冷凍工業会で制定されている「冷凍空調機器用水質ガイドライン」についても、「氷蓄熱空調システムQ&A」(日本冷凍工業会 発行)に記載されているのでご紹介いたします。

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Q11

氷なのにどうしてあったかくなるのか。

氷蓄熱式空調システムは、夜間の安価な電気でエネルギー(冷熱(氷)・温熱)を蓄熱層に蓄えておき、昼間に利用する空調システムです。

• 夏の冷房の場合には、夜に蓄熱槽に“氷”を蓄えておき、昼間の空調時間になれば、氷を使って冷房を行います。夜間と比して料金が高い昼間の電気の使用を削減できるため、経済性に優れているわけです。

• 冬の暖房の場合には、夜に蓄熱槽に“温水(お湯)”を蓄えておき、昼間の空調時間になれば、お湯を使って暖房を行います。このように、氷蓄熱式空調システムといっても、空調ニーズに対応して、冷房時には“氷”、暖房時には“温水(お湯)”を作っているので、あったかくなるのです。

このように、同一の機械(システム)で冷房・暖房が可能なシステムを“ヒートポンプ”と言います。家庭用のエアコンも“ヒートポンプ”なんです。

ただし、注意をして欲しいのは、氷蓄熱式空調システムといっても、熱源機が冷房専用(冷凍機)であれば、冷房のみを行う蓄熱システムとなり、暖房ができないものもあります。熱源機が“ヒートポンプ”であれば、温水を蓄熱するかどうかは別として、暖房は可能なのです。

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Q12

水蓄熱と氷蓄熱を比較しているのですが、「蓄熱槽効率」「運転管理費」「冷暖房蓄熱比」について、各々定量的に比較し、記述された資料等はないか

当財団では、水蓄熱を中心に記述したものですが、「蓄熱システムの設計・制御」というマニュアルを発行しており、その中で関連すると思われる内容(前後合わせて)を紹介いたします。

(1)冷暖房蓄熱比

冷暖房蓄熱比の定義が定かではありませんが、同じ蓄熱量を得るために必要な容量と考え得ると、「蓄熱システムの設計・制御 第1編 第1章 蓄熱システムとは 1.1 蓄熱システムの分類 1.1.2 水蓄熱と氷蓄熱について( 1 )蓄熱槽容積」に利用温度差・製氷率をパラメーターとした図を記述しています。

(2)蓄熱槽効率

「蓄熱システムの設計・制御 第1編 第2章 蓄熱槽容量の極小化と蓄熱槽効率 2.1 蓄熱槽容積容積の極小化と蓄熱槽効率 2.1.1 蓄熱容量決定因子、 2.1.1 蓄熱槽効率の定義」に水および氷蓄熱の蓄熱槽効率の考え方を記述しています。

(3)運転管理費

「蓄熱システムの設計・制御 第1編 第3章 蓄熱システム採用の可・否判定 3.2 判定要因 3.2.4 運転管理とメンテナンス」に簡易に運転管理について記述しています。

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Q13

水蓄熱式(350m³)のお客さまから春、秋など冷水から温水、温水から冷水に切り替えに日数がかかるとの話がでたが、通常何日くらいかかるのか。

当財団では、設計、施工、試運転調整・検収に続いて、運用保全、異常診断・性能評価、リニューアル、設計(氷蓄熱)などの蓄熱式空調システムに関わるマニュアルの策定を行っていますが、その中で運用保全マニュアルの中に下記の記述がありますので、その内容をご紹介します。

「日常的・定常的運用保全項目」の「水蓄熱システムの運用・保全」の中に、「経済的な冷暖房切換え方法」という項目があり、次のように記述されています。なお、記述は“経済的な切換え”を主に書いていますので、「切換えのための作業」というよりはむしろ「冷房期・暖房期の末期で蓄熱槽の残槽熱量を有効に活用する」ことに言及しています。

蓄熱式空調システムを経済的に運転するための冷暖房切替え時の注意事項は、以下の通りです。

1.冷房/暖房切換え時

冷房期末期時点で、熱源機器を手動により停止させて、蓄熱槽の水を空調機器へ1~2週間程度空調時間帯に循環させ、冷水温度を上げてから温水への切替えを実施する。( 20 ~ 24 ℃が目安)

2.暖房/冷房切替え時

暖房終了の2~3週間前の時点で、熱源機器を手動により停止させ、残蓄熱量で暖房を継続してから冷水への切替えを実施する( 25 ~ 29 ℃が目安)

*冷暖房切替えに際しては、蓄熱された熱量を使いきってから切り替えることが、エネルギー損失を防ぐ有効な手段となる。また、時期に余裕がある場合は、切替を夜間電力だけで行うことが経済的であるが、切替時期は、定格時期に比べ、外気温度が低い場合または、槽内温度が高い場合等、温度条件が異なるので気を付ける必要がある。

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Q14

水蓄熱方式より氷蓄熱方式のCOPが少し低下すると書いてありましたが、現在COPを上げるためどのような研究をしているのか。

水蓄熱に比べて、氷蓄熱のCOPが低下するのは、例えば同じ冷熱を蓄える場合、 20 ℃の水から 5 ℃の冷水を作る場合と 0 ℃の氷を作る場合と比較すると、その温度差が大きいことからも 0 ℃の氷を製氷する方が、エネルギーを多く必要とするからです。しかし、

  • セントラル型の場合は、せっかく冷水よりも低温で安定性の高い氷を作るのだから、二次側の低温送風などにより、搬送動力を大きく低減できるメリットもあるため、二次側も含めた空調システムで、省エネルギーを実現している例が多くあります。
  • 個別分散型の場合は、夜間製氷時の COP は低下するものの、昼間の解氷運転においては、外気温度に左右しにくいサイクルとなるため、安定した能力によるCOP向上が見込まれるため、夜間と昼間を含めた、全日COPの向上が図れる場合もあると考えられ、研究されているようです。

また、機器単体の製氷時のCOP向上のためには、蒸発圧力(温度)を少しでも上げるため、蓄熱槽内の熱交換器の最適化の研究が進められております。ただし、非蓄熱に比べて蒸発温度を低くしないと、製氷が実現できないため理論上、製氷時の COP を非蓄熱のCOP以上にすることは、困難です。よって、システム評価・全日COPによる省エネ評価と研究・開発が重要と考えています。

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Q15

(1)蓄熱槽(シート防水等)の漏水に関する日本での関連基準があればお教え下さい。特に漏水許容量。

(2)蓄熱槽漏水について調査記録があれば内容をお教え下さい。

(3)BS規格にコンクリートの漏水について許容量の記載があります。同様な日本での規格があればお教え下さい。

(4)上記について防水関連団体等で詳しいところがあればお教え下さい。

当財団で作成・発行している「蓄熱システムの施工マニュアル」において該当する部分「 2.5 断熱防水性能」「蓄熱関連カタログ集」をご紹介いたしますのでご参考にしていただければと思います。

  • 「蓄熱システムの施工マニュアル 2.5 断熱防水性能」
  • 「蓄熱関連機器カタログ集 第5章 蓄熱槽断熱防水工法」

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Q16

(1)蓄熱槽などのトラブルは、どんなものがあるか。

(2)空調機全体のメンテナンスは普通のパッケージと変わらないか。

(3)また、真夏の高圧カットなども減るのか。

(1)蓄熱槽に関するトラブルの項目・問題点と解決例・留意点についていくつか簡単にご紹介します。

<設計・施工時>

  • 蓄熱槽の設置スペースがない → 立体設置などレイアウト工夫、デットスペースの活用。
  • 屋外など設置場所の建物耐荷重 → 強度計算確認、 H 鋼による強度確保 ( 特にリニューアルで必要 ) 。
  • 蓄熱槽搬入ルートの確保、給水管・排水管の検討・蓄熱槽への給水方法 など

<運用・メンテ時>

  • 蒸発などにより、蓄熱槽内の水が少ない場合、十分に蓄熱されない。 → 自動給水設備の確認
  • 水の腐食 ( 但し、個別分散型の場合、スタティック型で半密閉なため、腐食のケースは非常に少ないが、年に一回程度の水質検査が必要。 )
  • 海に近い場合、蓄熱槽の外板の腐食 → 室外機と同様に、耐塩害仕様とする。

(2)空調機器本体のメンテナンスについて、

基本的に従来の非蓄熱と同様です。但し、年一回の水質検査などが必要です。また、ユーザーによって、蓄熱モードが解除されたままにされて、蓄熱されないなど考えられますので、運転モード ( 日・季節 ) や、制御設定内容の定期的な確認をされた方が良いと考えます。

(3)真夏の高圧カットについて

従来の非蓄熱と同様ですので、メーカー提示のサービススペースなどの十分な確保が必要です。また、蓄熱式の場合、非蓄熱に比べて外気温度に左右される空気熱源だけでなく、蓄熱 ( 夏は氷水 ) も熱源にした運転となるので、外気温度に左右されにくくなるため、真夏 ( 高負荷時 ) における冷房能力・COP特性が比較的安定であるなどの優れた特徴があります。

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Q17

大学院で蓄熱について学んでいるものです。掲示板を見させてもらい大変良く分かりました。しかし実際のところ事務所ビルなどでは氷蓄熱などの技術は施されているようなんですが、住宅などではどのような技術を施しているのか教えてください。

住宅向けの“蓄熱空調”ということでは、“業務用”で普及している「氷蓄熱式空調システム」(エコ・アイス)のような製品は、殆どないのが現状ですが、その代わり、住宅の用途にあった“蓄熱システム”として、「電気温水器」が多く普及しております。最近では、各住宅設備機器メーカーからエアコンのヒートポンプを利用して空調だけでなく給湯もできるなど、各種蓄熱製品が開発・販売されております。

例1)「家庭用蓄熱式空調給湯器」;給湯+空調(冷房時;夜間氷蓄熱+廃熱を給湯器に利用&温水の暖房利用)

例2)「家庭用氷蓄熱式冷暖房給湯システム」;給湯+空調(温水の暖房利用&潜熱蓄熱材による冷房蓄熱)

例3)「高効率CO2冷媒ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」

ヒートポンプを利用している“蓄熱システム”は、省エネルギーが図れます。また、潜熱蓄熱材を利用して床に蓄熱する「蓄熱式床暖房」もあり、多くの採用実績があります。いずれのシステムも、「氷蓄熱式空調システム」(エコ・アイス)と同様に、安価な夜間電力を利用して蓄熱するため、低ランニングコストと電力負荷平準化によるCO2削減も図ることができます。

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Q18

私は東北に住んでいます。実際は蓄熱システムも色々と種類があり、私の地方ではどれがコスト的にも住環境的にも良いのか判断しにくいので,教えて下さい。私が良いと思っているものに、夏は冷凍装置で不凍液を冷やし、冬は灯油で暖めて基礎コンクリートに蓄熱し一年を通して 20 度前後の温度にすると言うものです。これにパネルヒーターも取りつけ,暑い時や寒いときに各パネルのバルブで温度調整をすると言うものです。しかし,このシステムを取り扱っている企業が分かりません。また,値段や技術的なこともあまりわかりません。もし良ければ、私が良いと思っているシステムとそれ以外で東北で一年を通して 20 度になるようなシステムの長所短所を価格・技術・メンテナンス・取り扱い業者(連絡先)などを教えて頂けないでしょうか。一応、灯油か深夜電力で考えています。ソーラーシステムはイニシャルがまだまだ高価なので考えていません。もし宜しければ,上記の各蓄熱システムのパンフレットなども頂けないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

ご希望のシステムと合致するものかわかりかねますが、2件ほど紹介させて頂きます。

(1)インターセントラル?のセントラルサーモ 東京支店 工事部

(2)ドイツの VELTA 社の床蓄熱システム 森永エンジニアリング

(1) , (2)いずれも建物の躯体蓄熱 ( 床冷暖房 ) を利用したシステムで、(1)については導入実績も 50 件程度あるそうです。(2)は、森永エンジニアリングが取り扱っているようですが、日本ではまだ実績がないとのことです。

詳細は各社にお尋ね下さるようお願いします。

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Q19

蓄熱運転制御機能で、「前詰め運転」と「後詰め運転」の違い、それぞれの特色やメリット等について。

それぞれの違いについて

(1)「前詰め運転」

一日の負荷がピーク日に対して部分負荷の場合、 22 時から熱源機の蓄熱運転を始め、必要な蓄熱量 ( 槽内温度 ) になりしだい停止するものです。

(2)「後詰め運転」

必要な蓄熱量と現在の蓄熱量 ( 槽内温度 ) から運転時間を計算して、8時に熱源機蓄熱運転が終了するようにするものです。

(1)特色・メリットについて

蓄熱システムの監視・制御が理想的な状態では、後詰め運転にメリットがあります。

(1)蓄熱する時間帯が遅くなる (= 翌日の利用時間帯に近づく ) ため蓄熱槽から熱損失が少なくなる。

(2)冷房の場合、熱源機が外気温のもっとも低くなる明け方に働くため、熱源機COPが有利になる。

ここで注意することは、上記の“理想的な状態”という点です。上記の理想的な状態とは少なくとも下記の3点が満足されていることです。もちろん蓄熱システムの他の部分も、きちんと設計・施工されている必要があります。連通管の設計・施工が悪く温度プロフィルがうまくとれない等は、ここでは論外になります。

  • 精度の高い負荷予測システムが備わっている。
  • 精度の高い蓄熱量把握システム(槽内温度分布監視システム)が備わっている。
  • 熱源機の出力把握ならびに出力予測システムが備わっている。

後詰め運転では、まず負荷予測をして、現在の蓄熱容量から必要な蓄熱量を計算し、熱源機の出力(予想出力)から運転時間を計算し、停止時間( 8 時間付近)から逆算して運転開始時間を決定します。したがって上記の負荷予測、蓄熱量把握、熱源機出力把握ができないと、熱源機停止時に蓄熱不足が発生する可能性があります。

現実では上記3点を満たしているシステムはなかなか見られないため、そのようなシステムでは前詰め運転か、または停止時間を7時程度にした後詰め運転で、蓄熱量(槽内温度より計算)で運転停止を決める方が、必要な量の蓄熱を確保するという点では対処療法的にやりやすいと言えますが、かといって後詰め運転が良いということではありません。

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Q20

パソコン上で稼働する蓄熱システムの設計可能な市販ソフトウェアを探しています。設備設計会社等で開発したものでも結構です。

1.当財団にて作成したプログラムをご紹介いたします

(1) TESEP - W( 水蓄熱槽最適設計プログラム )

水蓄熱槽の温度プロフィール・蓄熱槽効率等をシミュレーションするプログラムで、水蓄熱システムのランニングメリットを最大限に引き出すために、設計段階において陥りやすい間違いを事前になくすことを目的として開発しています。この目的以外にも既存水蓄熱システムの問題点の把握や改善策の検討等の運転管理にも利用できます。また、入力条件による蓄熱槽内の温度プロフィールが確認できるため、若手技術者の教育・研修用としても有効に活用できます。

(2)空調熱源簡易検討型プログラム(TES-FS)

計画・基本設計段階において、蓄熱システムの特長を他の空調熱源システム ( 電気蓄熱式、電気非蓄熱式、ガス・油吸収式 ) と簡易に比較評価できるプログラムを開発しています。 Excel(Microsoft) ベースで作成しており、セントラル式の空調熱源を計画している建物を対象に、簡易にイニシャルコスト・ランニングコストの算出できます。

(3)氷蓄熱システム計画・設計ツール ( あいすクラブ )

システムのバリエーションが広い氷蓄熱システムについて、計画から基本設計・詳細設計に至るまで、同一のプログラムでコスト検討・効果の試算の評価ができる検討用ツールとして開発しており、市販されている各メーカーの具体的な氷蓄熱システムの仕様が組み込まれています。また、検討の比較対象として、いくつかの非蓄熱システムも組み込まれています。

(4)水蓄熱システム経済性評価プログラム(TES_ECO)

本プログラムは、蓄熱システムの設計・制御マニュアルに付属しており、蓄熱マニュアルで示された経済性評価検討を、容易に実行することが可能で、エネルギー消費量、ランニングコスト、CO 2 排出量等について、非蓄熱と水蓄熱の比較を行い水蓄熱の導入効果を示すことが可能です。

2.大阪大学 大学院 工学研究科 相良教授の公開プログラム

(1)温度成層型蓄熱槽の性能予測プログラム(WINTST)

水蓄熱の温度成層型蓄熱槽に関するプログラムで温度成層型蓄熱槽の槽内温度分布の推移と各種蓄熱槽効率を求めるプログラムです。

(2)水蓄熱槽の蓄熱槽効率推定プログラム(Ptankeff,Stankeff)

空気調和・衛生工学会発行の第 13 版空気調和・衛生工学便覧 3 空気調和設備設計篇のp .219 ~p .223 に記載されている「蓄熱槽効率推定表による蓄熱槽の設計」の中の蓄熱槽効率推定用支援プログラムです。

上記プログラムはフリーソフトで、下記のアドレスにてダウンロードできます。

アドレス : http://www.arch.eng.osaka-u.ac.jp/~labo4/open_program/sagara/

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Q21(Q11共通)

氷蓄熱式空調システムについて、氷を作って、どういうシステムでそれを冷暖房に利用するか。

氷蓄熱式空調システムは水槽に氷を作り、その氷を溶かして冷水を作ったり、またはエアコンの冷媒を冷やすことにより冷房を行うシステムです。大きくは(1)セントラルタイプ(2)個別分散タイプの2つに分けられます。

(1)セントラルタイプ

・氷の蓄え方により更に以下の2方式に分けられます。

(1)水槽の中にコイルを通し、コイルの中に冷凍機で冷やしたブラインを循環させコイルの周りに氷を作る方式(スタティックタイプと呼ばれています)

・この方式は、冷房時にはコイルに暖かいブラインを通して氷を溶かし、それで冷えたブラインを更に水と熱交換して冷水を作る内融式と呼ばれるタイプと、水槽の水を循環して外からコイルの氷を溶かして冷水をつくる外融式と呼ばれるタイプがあります。

(2)冷凍機でシャーベット状または板状の氷を作り水槽に蓄える方式(ダイナミックタイプと呼ばれています)

・この方式は、水槽の水を循環して外から蓄えた氷を溶かして冷水をつくり冷房に利用します。

(3)その他カプセルに水等を封じ込め、これを凍らせて氷を蓄えるなど様々なタイプがあります。

(2)個別分散タイプ

・このタイプはパッケージエアコンやビル用マルチエアコンに応用したもので、これは、室外機のとなりに水槽を設け、その水槽に冷媒回路の一部としてコイルを設置しています。このコイルに冷えた冷媒を通し、氷をつくり、冷房時には逆に冷媒を冷やす仕組みとなっています。

以下に個別分散方式の運転フローを紹介します。

製氷運転
蓄熱利用冷房運転

氷が無くなると冷媒は蓄熱槽内をバイパスし、通常のエアコンと同じ運転サイクルとなります。

蓄熱非利用冷房運転(解氷後)

図のように氷蓄熱システムは通常のエアコンと同じサイクルで冷媒を循環させて運転を行いますが、そのサイクルの途中に水蓄熱槽を加え、夜間冷房運転しない時間に氷を蓄えます。その氷の冷熱を利用し昼間冷房運転を行う時に冷媒を過冷却(冷房能力を増強します)するため、同じ能力のエアコンであれば少ない電気(小さい機械)で運転ができるためランニングコストが安くなります。

そこで暖房は?とのご質問で、図の中で室外機の部分に「温風が出ます」と表示しておりますが、一般の家庭用エアコンでも夏場に部屋を冷やすと室外機から温風が出ており。これはエアコンがヒートポンプと言われているように熱を運ぶ機械で室内の熱を奪い(冷房)室外に放出(暖房)しています。このサイクルを逆回転させることにより室内機で暖房を行います。以下に氷蓄熱システムの暖房フローを示します。

蓄熱(温水蓄熱)運転【夜間】
温熱利用暖房運転【運転開始時】

蓄熱システムの特長は夜間作った温水を利用し日中の暖房運転時に温水を利用します。これは冬場の外気温度が低い時、室外機で冷房運転を行いますが、室内で暖める温度と室外で冷やす温度の差が大きくなると、より大きな力(消費電力が多くなる)が必要となりますが、温水の中は温められているため温度差が小さく、小さな力(消費電力が少なくなる)ですむ(同じ電力で大きな力が出せる)という特長があります。冷房同様温水が無くなってしまうと通常のエアコンと同じサイクルで暖房運転を行います。

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Q22

蓄熱体の材質としてなにが一番いいのか教えて下さい。石、コンクリート、水等。また、蓄熱ブロックの成分構成は。

蓄熱媒体が具備すべき条件としては下記があげられます。

(1)物性 ・単位体積あたりの蓄熱量が大きい

  • 熱の出し入れが容易である
  • 目的の温度で利用できる

(2)経済性 ・価格が安い

  • 資源が豊富で将来にわたって大量に入手できる
  • 化学的に安定している

(3)信頼性 ・性能が劣化しない

  • 腐食性がない

(4)安全性 ・毒性がない

  • 爆発性がない

これらから考えると、現状では水が一番優れています。石。コンクリート等は、物性において、特に熱の出し入れをコントロールすることが難しい点があります。

また、蓄熱ブロックについてのご質問ですが、蓄熱ブロックについてはこちらもあまり情報がないのが現状です。北海道電力で、夜間に電気ヒーターで熱を蓄え、昼間に暖房に利用するという住宅用の電気蓄熱暖房器があるようです。これに使われているものを蓄熱ブロックと呼ぶのかどうか分かりませんが、材料はレンガが使われているそうです。北海道電力のホームページを紹介がありますのでそちらをご参照下さい。

アドレスは http://www.hepco.co.jp/person/index.html になります。

こちらのオール電化住宅の項目の電化機器のご紹介のなかで暖房機器として紹介されています。

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Q23

老人向け介護付きマンションを計画しており、その中で氷蓄熱を導入したいと考えています。容量設定について教えてください。

(1)夏期ピーク時の最大時間冷房負荷が仮に300kW、1日の冷房負荷総量が仮に3000kWhとした場合の設備最適容量はどのように考えたらよいか。

(2)夏期のピーク時の冷房能力はどのくらいで設定しているか(現在150kcal/m²・hと考えていますが大きすぎないか)また、最大ピークと平均負荷の割合はどの程度と考えればよいか(福岡地区)

(3)冬場は暖房負荷用としても使用したいと思っていますが、前項の例ではどの程度の暖房負荷が取れるのでしょうか。

(4)氷蓄熱のヒートポンプはCOP(成績係数)はどの程度でしょうか。2.5で考えていますが低すぎるのではないかと、思っています。

(1)氷蓄熱システムは各メーカーの特性が大きく異なっているため、一概にご返答は難しいのですが、空調負荷が昼間のみと考えて、某社のユニット型で選定すると、冷凍機が通常の7℃冷水取り出しで170kWの能力のもの、蓄熱槽が約40m³で一日の蓄熱容量が1000kW程度になります。これは、ピークシフトタイプで、一日の蓄熱量と冷凍機の昼間の出力合計が3000kWを満たす機器で最小のものを選定した結果です。つまりイニシャルコストを最小にする選定方法ですが、これが一般な方法です。ただし、ランニングコスト重視であれば、イニシャルコストは上がりますが、機器容量を大きくして夜間運転の割合増やし、ランニングコストを下げる考え方もあるので、何を重視するかで「最適」の意味も変わってきます。

(2)冷房能力の設定については、当財団では推奨値や目安の値は出しておりません。建物の空調負荷は、建物構造 (外壁の仕様、窓ガラス面積の大小など)や内部の利用状態によって変わるため、正確にはそれらを把握して計算しなければならないからです。申し訳ありませんが、ご質問の値で大きすぎるかどうかは、ご返答が難しいと考えます。また、最大ピークと平均負荷の割合についても同様です。正確には建物構造、内部の利用状況により変化しますので、これもこちらで値をだすのは難しいと考えます。

(3)(1)の選定例で申しますと、冷凍機をヒートポンプ運転をして蓄熱利用で約 230 kW、蓄熱を利用しないで約200kW程度の能力です。(JIS条件での能力)。一日の蓄熱量は300kW程度となります。冷凍機をヒートポンプ運転することにより、暖房負荷をまかなうことは可能です。

(4)COPについては、夜間製氷時、昼間冷水運転時等の運転モードによって異なります。また、全日COPなどの期間COPについても運転時の負荷や外気条件により変化し、一概にいくらと言うことができません。また各メーカー毎にも違いますので、申し訳ありませんが、メーカーにお尋ねいただきたく存じます。当財団発行の「氷蓄熱空調システムマニュアル」各メーカーの製品ラインナップ(問い合わせ先記載)をご参照下さい。

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Q24

下水や河川水、地中熱等を熱源とした熱回収形ヒートポンプを用いて、安定した熱供給を行えるシステムについて調べております。このようなシステムでは、蓄熱槽に熱を貯めておき、必要な時にその熱を用いるという技術が不可欠だと考えますが、私どもにはそのような技術に関する資料がございません。つきましては、以下の事項についてお教えいただけないでしょうか?・蓄熱技術(氷蓄熱ではなく、温かい熱を蓄熱する技術)に関する資料名、資料の入手方法・それら技術(蓄熱槽、ヒートポンプ)を取り扱っているメーカー名、加えて、もし上記事項に関する資料、カタログ等をお持ちでしたら送付いただけないでしょうか。

ご質問のシステムは、いわゆる未利用エネルギーと呼ばれるものの活用システムになるかと思います。未利用エネルギーとは、ご質問にある下水は河川水、地中熱等の今まで活用されていないエネルギーを総称したものです。河川水等以外のものも含まれています。この未利用エネルギーの活用に関するパンフレットがありますので別途送付いたしますのでご参考ください。

また、未利用エネルギーを活用する、例えば下水利用ヒートポンプシステムなど、システムの設計に関しては、電力会社のエネルギー営業部、設計事務所、建設会社の設備設計部門またはエンジニアリング部門が取り扱っております。

例えば 電力会社 東京電力 エネルギー営業部

設計事務所 日建設計、日本設計等

建設会社 大林組、鹿島建設、清水建設、竹中工務店、大成建設等

機器のうちヒートポンプに関しては、機器製作メーカーが取り扱っております。

例えば 三菱重工業、日立製作所、荏原製作所、前川製作所、神戸製鋼など

蓄熱槽に関しては特にメーカーはありません。ご質問の内容では温水蓄熱槽ということになりますので、建物の地下ピット利用やコンクリート製の蓄熱槽になります。ですので設計事務所または建設会社の設計部門が蓄熱槽を設計し、建設会社が施工するということになります。

メーカー等の資料、カタログ等は申し訳ありませんが、こちらにはありません。蓄熱槽、特に水蓄熱に関する設計、施工、試運転調整等のマニュアルについては、当センターで販売しております。詳細はホームページのマニュアルのご紹介をご覧ください。これは冷水蓄熱だけではなく温水蓄熱(45℃程度)の設計方法についても解説してあります。

それとご参考ですが、下水や河川水を利用した冷暖房については、地域熱供給施設ですでに実施例があります。電力会社のホームページに紹介がありますのでアドレスを下記に添付いたします。また、未利用エネルギーに関連する以下の団体ホームページにも紹介されております。

(早稲田大学)(東京都市サービス:東京電力関連会社)

(盛岡の地域熱供給)(九州電力)

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Q25

高効率蓄熱システム採用の決定的な要素とは。で述べられている内容はピークカット・ピークシフト運転どちらでもいえる事か。

結論から申し上げますと、どちらでも言える内容になります。まずピークカット・ピークシフトについてですが、ピークシフトについては昼間のピーク時間帯を中心とする負荷を夜間にシフトし、熱源容量の低減を目的とした運転方法、ピークカットについては電力時間帯の熱源電力をカットする(熱源容量の増減は、夜間運転時間と熱源停止時間帯の負荷との関係により変化する)という定義といたします。これはセンター発行の蓄熱システムの設計・制御マニュアルにある定義になります。両者の大きな違いは、負荷に対する熱源容量、蓄熱槽容量と熱源の運転時間です。一方、蓄熱相談所のQ&Aコーナーにある、「高効率蓄熱システム採用の決定的な要素とは」という質問に対する回答としては、残蓄熱量をほぼ0にすること、熱源機器の容量制御は行わず高効率運転を行うこと、二次側利用温度差の大温度差化による蓄熱槽効率アップが3要素としてあげられております。これらは、両者の違いに係わらず重要なことになります。

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Q26

氷蓄熱槽(規模は未定)を屋上に設置して空調以外に印刷機の冷却にも利用したいと考えております。一日中(夜間も)利用可能でしょうか。また、屋上と印刷機の設置場所が100m程度離れております。氷蓄熱槽取り出し時の冷水温度は印刷機設置場所到達時には上昇する等の熱損失があり、効率が悪くなることはないでしょうか。

まず、夜間の利用についてですが、難しいといえます。氷蓄熱の場合、氷を作る回路と、氷を溶かして冷水を作る回路を共用しているタイプが多く、物理的にどちらか一方の運転となります。回路が分かれているタイプもありますが、運転制御が複雑になり、あまり効率的ではありません。また、夜間(通常22:00~8:00)に作った氷により夜間の負荷を処理すると電気料金の割引が減少するか受けられない場合もでてきます。したがって、一般的には夜間の負荷がある場合は、それ専用のチラー等を設置することにより対処することになります。

次に蓄熱槽と印刷機の距離が100m程度あるとのことですが、配管の断熱を相応にし、日射が直接当たらないような配管ルートにするなどの措置をとれば、熱損失による効率低下はそれほど問題にならないといえます。その他、印刷工場ということで申し上げますと、氷蓄熱の場合は、蓄熱量を2~3時間で一気に使い切るというような、一度に大量の冷水を取り出すことができない場合があるのでご注意下さい。

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Q27

水蓄熱システムの蓄熱槽に関して教えてください。

(1)総保有水量は。

(2)(1)が不明な場合)平均保有水量は。

蓄熱槽の保有水量は、設計により定められた蓄熱量により決まります。蓄熱量にほぼ比例して多くなったり、少なくなったりします。つぎに蓄熱量は、建物の設計ごとに設計者が諸条件を勘案して決めるため、決まった量というものはありません。つまり、建物により、蓄熱槽が設置できるスペースに制限があり、また蓄熱槽の大きさによりイニシャルコスト、ランニングコストも変わるため、一意的に蓄熱槽の容量を定めることができません。

したがって、保有水量を知るためには、個別に設計図書等に表記されている容量により確認することになります。また、保有水量を用いて検討する内容にもよりますが、蓄熱槽だけではなく、冷凍機への配管や空調機への配管にも保有水が含まれており、場合によっては配管口径と長さにより求める必要もあるかと思われます。参考に、当財団で発行している蓄熱システムの設計・制御マニュアルにありますモデルビルの設計例を紹介いたします。15階建、延床面積約16,000m²でピークシフト蓄熱システムの場合の標準的設計例で、蓄熱槽容量は約600m 3 となっております。

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Q28

リプレースで、室外機のみを変えるだけでエコアイスに切替が可能か。

最近のパッケージエアコンでは冷媒がオゾン層を破壊しない新冷媒を採用されており、冷媒の特性上室内機の変更や、冷媒配管の変更が必要になります。(あるメーカーでは冷媒配管を利用できる機種もあります)また、標準の機器でも後から蓄熱槽を追加することができる機種も発売されていますので、各メーカーにお問合せ下さい。

後付可能な場合追加工事として配管の接続、給水の確認(水を1トン以上使用しますので屋上など給水設備がない場合は、注意が必要です)、蓄熱運転用コントローラーの配線、接続、蓄熱時間帯を計量する電力量計の設置箇所の確保(電力量計は電力会社から支給されます)等必要になります。蓄熱調整契約など契約が必要になりますので詳しくは最寄の電力会社にご確認下さい。

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Q29

氷蓄熱システムで、ブライン-冷媒ガス熱交換を採用しているメーカー(会社)を教えてください。一次側はブラインを利用し、二次側の空調を冷媒ガスで行っております。

竹中工務店ベーパークリスタル(VCS:冷媒自然循環システム)とサンウェルジャパンのクリスタルリキッドアイス(CLIS)の組み合せが該当すると思われます。

一次側のCLISはバイノサーム液(ブライン)を循環させてダイナミックアイスを作り、二次側の空調機はその冷熱を利用して冷媒を自然循環させる省エネルギー的なシステムとなっています。

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Q30

連結完全混合槽型での水蓄熱槽の場合、一般的に蓄熱効率は何%程度(冷水・温水)と考えれば宜しいでしょうか。また、蓄熱効率の100%に満たない差分は、長期的に見れば、蓄熱槽の熱損失と考えて良いでしょうか

ご質問のとおり、蓄熱効率は理想的には 100%であり、熱損失のため100%になりません。この熱損失分が一般的にどれくらいかは、蓄熱槽の形態や断熱の仕様、周囲の環境条件により異なるため、ご回答が難しいと考えます。

ただし、標準的なところで一例を申しますと、当財団発行マニュアル「蓄熱システムの設計・制御 第 2編 4章4.7.5 p.48」にある計算例では、概ね3~5%になっています。

ご参考までに「蓄熱槽効率」の定義について当財団のホームページの蓄熱相談所の用語集にある内容をご紹介いたします。

蓄熱および放熱限界温度の制約のもとに、槽の水容積全部が基準利用温度差で利用すると仮定したときの熱量(名目熱量)に対して、実際に放熱に利用し得た熱量 (実際蓄熱量)の比。氷の潜熱やシステム特性を反映するので最大値は1.0に制約されない。

記号

関連数式

単位

(%)

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Q31

(1)最近、蓄熱が脚光を浴びだした理由・経緯

(2)蓄熱システムにおける温度調節の方法

(3)冷房から暖房に急激にスイッチさせた場合、何が起こるか

(4)蓄熱を気候によってできるのか。

(5)蓄熱技術の応用・適用範囲又は可能性。

(1)蓄熱式空調システムは利用者、社会にとってメリットがあり脚光をあびています。

<利用者にとっては>

夜間の安い電気を使うため、電気代が大幅に下がります。電力会社と蓄熱を使う契約をすれば、蓄熱にかかった夜間の電気代は昼間の1/5~1/4位になります。

<社会にとっては>

蓄熱システムは省エネルギーとなるため、CO2の発生も少なくなり、エネルギー資源の節約、環境保全がはかれます。

これらをもう少し詳しく言うと、次のようになります。

冷房をするエアコンは電気で動かしています。夏の暑い時期には、皆が同時にエアコンをフルに使うので、一度に大量の電気が必要になります。そのため電気を送っている電力会社は、一度に大量の電気を作るため、大きな発電所を作る必要があります。

ところが、皆が同時にエアコンをフルに使うのは、昼間の限られた時間で、夜や夏以外の季節は、一度に大量の電気を必要としません。従って、その間は大きな発電所は発電できる能力に対して、少ししか発電しないことになり、これはとても効率の悪いことになります。バスで例えると、大きなバスに人が少ししか乗らないようなことなのです。

これでは、電気を作るのに非効率ですので、電力会社としても、電気代を安くできません。そこでH10年度から、国は蓄熱システムを普及させるために補助金を出し、蓄熱システムを広めようという対策を行っています。蓄熱システムでは、通常はエアコンを使わない夜間にエアコンを使って冷たい水や氷を作っておき、昼間の暑い時にその冷たい水や氷を使って冷房ができるので昼間の暑い時にあまり電気を必要としません。そのため、蓄熱システムが社会に広まると、一度に大量の電気を必要とすることが減ることになり、発電所の効率もよくなります。バスの例えで言うと、中型バスに多くの客が乗っていることになります。発電効率が高くなると、電気代を安くしやすくなります。蓄熱をすると夜間の電気料金が安いというのは、蓄熱が電力会社の電気をつくる効率を良くすることに協力することになります。

旅行に例えて言うと、お正月などの込み合う時以外は料金が安くなるのに似ています。

また、電気を作る効率が良くなるということは、少ないエネルギーで発電できることであり、日本全体で考えると省エネルギーになっていることになります。また、蓄熱システムは、CO2の排出量の少ない夜間の電力を使用するため(CO2を出さない原子力発電や水力発電がベース)環境にやさしいシステムです。

(2)一般の冷暖房を行う機器と変わりありません。

冷暖房の設備は、熱を作ったり蓄えたりする部分(熱源といいます)と作った熱を空気に伝えて部屋を冷やしたり暖めたりする部分とに分けられます。家庭用のエアコンでいうと熱源に当たるものがベランダとかに置いてある機器(室外機といいます)、後者が部屋に設置して風を吹き出すもの(室内機)といいます。蓄熱システムは、熱源の部分に含まれるシステムです。温度調節は室内機で行うので、熱源はあまり関係しません。

(3)蓄熱システムで冷暖房を急激に切替えることは、一般的にはできません。通常のエアコンタイプのものですと切替はできますが、蓄熱を利用できなくなります。また、大型のビルに使用されているようなタイプでは、特殊な場合を除いて切り替えた場合、冷暖房ができなくなることがあります。

(4)冬の雪や冷熱を夏に利用する、夏の温熱や機器排熱を冬に利用する。これは現在季節間蓄熱という形で研究されており、北ヨーロッパでは地中蓄熱という形で実用化されています。ただ、大きな蓄熱槽が必要になるため国土の狭い日本では実用化には困難な課題があると思われます。

(5)蓄熱システムの冷暖房以外の活用方法として。

一つは、水を利用した蓄熱システムで、蓄熱用としてビルの地下等の水槽に蓄えている水を防火用水や、災害時の生活用水(飲料用除く)に用いることができます。

もう一つは蓄熱槽をビルの屋上に設置して、地震が来たときにビルの揺れを少なくする制震装置にもしているものもあります。

また、蓄熱は環境に良いという観点からより有効に利用する手法として建物(床、天井など)を夜間に蓄熱する躯体蓄熱という蓄熱方法があり、機器を小さくできる、輻射冷暖房になり直接体に冷温風のあたる量が少なくなり快適になるなどのメリットがあります。蓄熱は通常の空調温度より低い冷熱を蓄えているためこの熱を直接利用することにより、熱源のみでなく搬送に関わるエネルギーや設備コストを低減するなど様々な取組が行われており、今後益々発展していくものと思われます。

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Q32

ピークシフト、ピークカットについて教えてください。この意味がよくわかりません。また、氷蓄熱の冷凍サイクル、蓄熱サイクルについても教えてください。

当財団のホームページ蓄熱相談所の用語集をご紹介いたします。

「ピークカット運転モード」

電力負荷のピ-ク負荷時間帯に電力駆動熱源機器の運転を停止して冷暖房負荷を蓄熱槽で賄い、そのビルの電力負荷ピ-クをずらす運転モ-ドをいう。「ピ-クカット・ピ-クシフト」を参照。

「ピークカット・ピークシフト」

装置にかかる負荷のピ-クをある大きさで切り捨て(カット)、切り捨てた分の負荷を何らかの方法で他の時間帯へ移行(シフト)すること。冷暖房負荷の側からみたピ-クカット運転は、熱源装置容量を必ず低減するスタイルとなるが蓄熱運転時間は負荷の形態との関係で決められる。一方、電力側からみたピ-クカットは、一般に午後の電力ピ-ク負荷時点の電力駆動の冷熱源機器の運転を中止することを意味するので、その時に冷暖房負荷がピ-クであるとは限らない。熱源装置容量は蓄熱運転時間との関係で冷暖房負荷ピ-クより大きくなることも小さくなることもある。したがって、ピ-クカットとピ-クシフトは負荷の視点によって正反対の表現となるので注意が必要。以前は前者の冷暖房負荷からの視点が多かったが、最近は電力側から見た表現をとることが多い。

「ピークシフト運転モード」

冷暖房負荷変動に対して蓄熱システムを持つ熱源装置が、蓄熱運転によって冷暖房のピ-ク負荷より小能力の熱源でも対応できるようにした運転モ-ドをいう。「ピ-クカット・ピ-クシフト」を参照。

氷蓄熱の冷凍サイクルについてはQ3に略図を示しておりますのでご参照願います。

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Q33

(削除)

(削除)

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Q34-1(研修会での質問)

Q:1/18に蓄熱技術研修会「水蓄熱演習コース」を受講しました。試用してみて、プログラムの操作方法に等についていくつかの疑問が生じました。以下についてご教授ください。

<学識経験者及びプログラム開発者の回答>

Q(1)定温送水制御とは、二次側空調機器が定流量系の場合に還水温度をできる限り高く保持し、蓄熱槽効率を向上させる目的で、低負荷時の?tが小さいときには、送水温度を必要かつ十分な温度に上げる制御と理解していましたが間違いですか。そのような制御の場合、還水温度は一定で送水温度が変化することとなると思いますが、TESEP-Wの二次側条件入力フォームの「定温送水温度」はどのような数値に設定するのですか。

Q(2) TESEP-W の「槽容量変更後の計算結果」において、計算結果が「二次側送水温度の最高値は送水限度温度により 0.25 ℃高い」であるにもかかわらず、「蓄熱槽容量は不足」と判定されることがあります。なぜですか。 ( 小数点以下第 3 位の問題ならば、四捨五入され 0.25 になっているのならば「容量適正」と判断してもよろしいですか。 )

Q(3) TESEP-W の容量調整において、手入力で何度か再計算させると全く同じ条件にもかかわらず二次側送水温度、蓄熱槽効率、蓄熱量、有効温度差、熱源の総出力等の数値が微妙に変わってしまうことがあります。なぜですか。

Q(4) 24 時間負荷のある建物の TESEP-W 出力の熱量変動グラフにおいて、夜間に熱源運転による二次側負荷処理+蓄熱運転と熱源停止の放熱を間欠的に繰り返すことがあります。なぜですか。

Q(5) TESEP- Wにおいて単一成層モデルを選択した場合、「水温計算結果」で出力される「槽内温度プロフィール」の横軸は槽内深さレベル ( 左が底 ) と考えればよろしいですか。

Q(6) TESEP-W の並列槽の入力 ( 『病院施設の水蓄熱システム』 14p) においては、実際の槽数ではなくパイプ数だけ分割し、パイプ一本あたりに換算して入力するとのことですが、例えば 5 槽あって 1 槽につき送水管・還水管が 2 組ずつある場合は 10 分割、すなわち二次側条件入力フォームの「空調負荷の変更」において時刻毎の負荷を 1/10 にして入力すればよろしいですか。この場合の蓄熱槽条件の入力は、槽容量は 1 槽の 1/2 、パイプ口径は実際の配管口径、槽深さは実際の深さ、配管は統括方式でよろしいですか。

Q(7)並列槽の入力においては負荷を分割しないでパイプ径と槽深さを換算する方法の場合、上記の例であれば、パイプ径は 10 本合計を 1 本にする断面積(等流速)換算でよろしいのですか。槽深さはどのように換算するのですか。(各槽のそのままの深さではダメなのですか。)

Q(8) TESEP-W を利用して、円筒形の大深度蓄熱槽における「蓄熱槽口径×深さ」の相関を検討したいのですが、単一成層型蓄熱槽を選択し、同一の二次側・熱源側条件で、蓄熱槽条件の槽深さのみ変更していき、槽深さ毎の最小容量を算定して、その槽容量から槽口径を逆算すれば、それが想定した「蓄熱槽口径×深さ」の円筒形大深度蓄熱槽の算定結果であると判断してもよろしいですか。すなわち、断面形状にかかわらず ( 円筒形・矩形等によらず ) 同じ断面積で同じ槽深さの蓄熱槽の効率は等しいと考えてよろしいのでしょうか。

Q(9)「蓄熱槽口径×深さ」の異なる円筒形大深度蓄熱槽の比較において、「蓄熱槽口径×深さ」以外の蓄熱槽条件および二次側、熱源側の条件がどのように変わっても、その蓄熱槽の優劣はいつも変わらないと考えてよろしいですか。すなわち、蓄熱槽の性能を求めるには二次側、熱源側の条件が必要だが、円筒形大深度蓄熱槽の良し悪しは「蓄熱槽口径×槽深さ」の槽形状により決まると考えてもよろしいですか。

Q(10)そうであれば、任意の容量の円筒形大深度蓄熱槽の「蓄熱槽口径×深さ」等によって蓄熱槽の優劣を求める方法はありますか。例えば、 1.6 m× 40 m H の円筒形大深度蓄熱槽と同等となる 3 mの円筒形大深度蓄熱槽の槽深さを求めるのに、 TESEP-W の「入力からやり直し」で深さを変えながらトライ & エラー計算するまでもなく、手計算等で求められませんか。

Q(10-2)設計演習において、最大R値は既知となっていたのですが、手計算で蓄熱槽と熱源機器の選定を行う場合、最大R値は正確にはどのように求めるのですか。

Q(11) TESEP-W を単一円筒型大深度蓄熱槽の最小容量を求めるために使用しています。

ある条件下で容量調整を行う際には、自動計算でまず求め、さらに手入力で少しずつ容量を落としていき、最小容量を見つけています。ところが以下のような場合があります。例えば自動計算では調整結果容量が 172m³ になり、さらに手入力をしていくと 170,171m³ は適正容量、 166 ~ 169m³ は過剰または不足、 162 ~ 165m³ は適正、 161m³ 以下は不足というような計算結果になることがあります。このように適正容量が 2 領域に分かれるのはおかしな気がしますが、 162m³ を最小容量と判断して問題ないのでしょうか。このような場合、計算上、注意しなければならないこと等ありますか。

同様に 203m³ 以下は不足で、 204m³ ~ 214m³ が適正、 215m³ 以上は( 300 や 500m³ でも)過剰ではなく再び不足となることもあります。

Q(12)同じ方法で容量調整を行うと、(水深が浅くなっていくと)自動計算では適正容量が求まらず、手入力でトライ&エラーで求めていくと適正容量が整数値では 1 つしかない場合があります。(例えば 152m³ 以下・ 154m³ 以上は全て不適、 153m³ のみ適正容量というように)実際使用上の容量誤差・精度もありますので、このような形状(水深)の蓄熱槽は望ましくないのでしょうか。

Q(13)さらに、自動計算でも手入力でも適正容量が求まらないことがあります。例えば、最小適正容量の「蓄熱槽口径-槽深さ」の相関を求めるために、ある条件下で水深を徐々に浅くしていくと、 2.0m× 50mH (158m³) → 3.0m× 23mH (162m³) → 4.98m× 10mH (195m³) となっていきますが、水深 9m では適正容量が見つかりません。感覚的には、 6.74m× 7mH (250m³) くらいまで有効な温度成層の形成が可能なような気がしますが、誤りですか。この条件下では水深 10m 以上の蓄熱槽でなければ不適ですか。

Q(14)上記の結果を SUS パネル蓄熱槽選定に当てはめると、 4m × 5m × 10mH の蓄熱槽は適正だが、 5m × 7m × 7mH の蓄熱槽は不適となります。いかがでしょうか。

A(1)送水温度の設定しかありませんので、還水温度一定制御の入力はできません。よく行われる還水温度一定制御は(手前勝手と言う意味で)誤りです。負荷が大きくて低温の冷水を必要とする系統を無視することになり、その系統の空調目的を達しないからです。定温送水制御は負荷状況を見越して危険のない最高温度で送るものです。但し、三方弁の開度情報をフィードバックして最大負荷の系統の弁が最大開度(95%)になるように設定温度をリセットするようにすればどちらを採用しても構いません、同じことになります。然しそれほどのことが出来るならはじめから二法弁制御を採用すべきでしょうね。

A(2)小数点以下の扱いによるものと思います。 0.25 ℃はあくまでもデフォルト値ですので、この数値にそれほどこだわる必要は無いと思います。 0.25 ℃高いのなら容量不足ではないですか?送水限界温度以下に収まらねばなりません。

A(3)プログラム上のバグかもしれませんので確認してみます。怪しい場合には、プログラムを再起動してから再計算してみてください。微妙に変わります。ニュートンラプソン法の収束計算の近づき方ですから、上記の「~より~℃高い、或いは低い」という~の数字が微妙に違うはずです。許容収束誤差を小さくすれば差が小さくなりますが計算回数が増えます。微妙な差を問題にすることは有りません。

A(4)熱源入口水温が設定した限界温度を下回ると、熱源は停止するようになっています。蓄熱槽が満蓄に近い状態になると、間欠運転を行なう可能性はあります。

A(5)左端が冷水時は底になりますが、温水時は槽の最上部となります。

A(6)そうです。

A(7)無次元初期完全混合深さ(=初期完全混合域深さ/槽の水深)を等しくする必要がありますので、パイプ径、深さともに変更する必要があります。アルキメデス数を求め初期完全混合域深さを計算する必要があります。R値( R=1/L 、 1 は完全混合深さで Ar 数から求まる。マニュアル参照。)を同一にするようにします。深さは決まっているのですから 1 が同一になるように d を決めることになる。但しこの場合は初期R値を基準に取ります(オリジナルR値モデル)が、シミュレーションでは各時点でR値を計算する実用 R 値モデルというのを採用していますので結果は若干異なると思います。負荷分割のほうが正確だと思います。

A(8)流入口径を変えないと言うことならその通りです。極端なアスペクト比( 4 以上とか)で無ければそれで構いません。入力口径がR値に影響することは考慮に入れておいてください。

A(9)そんなことは絶対に有りません。システム条件が変われば関係は変わるし、上記のように入力口径が変われば変わります。だからこそシステムごとのシミュレーションが必要なのです

A(10):上述の通り。

A(10-2):手計算で最大R値を求めるのは実は厄介です。一日の負荷状態のうちR値が最大となるときのその値ですから一時間ごとの負荷に対して還水温度とそうない完全混合部分の温度との密度差と流量を用いて計算する必要があり。しかもその還水温度と流量は二方弁制御の場合、手計算では求まらないからです。

従って手計算で求める場合はオリジナルモデルの初期R値を用います。負荷の発生する最初の時間帯で、しかも二方弁制御では温度差が一定と近似せざるを得ないでしょう(私の本-ビル・建築設備の省エネルギー)を見てもらえれば温度差を近似的に求める図が載っていますが)

言い換えれば、以上が TESEP-W を用いる意義になります。なお、上述の二方弁制御における温度差一流量の関係は厳密にはコイルの仕様 ( フィンピッチとかチューブ口径とか ) によって変わりますから注意してください。

A(11)前に返事したように収束では近づき方で若干の差が生じます。許容誤差のマイナス側の極限では槽容量が最大、プラス側の極限では槽容量が最小になります。安全側にとっておけばよいのでしょう。上の例では適正値は 170 m³ くらいということです。

A(12)そのときのプロフィルを見ないとなんともいえませんが、プロフィルが正常であれば 153 m³ 付近で適正と言うことになります。まれに収束計算が振動してしまうことがあるので、これが起こらないように最大限の工夫はしてあるのですが、どうしても起こる場合はプロフィルをよく見て判定する必要があります。許容偏差を大きく(例えば 0.5 ~ 1.0 ℃)にして見るのも一法です。多分このケースは不適正な変動をしているのではないかと想像されますが動きを見ない限りなんともいえません。

Yes-No の最終答えだけでなく、シミュレーション中に動きを見ながら正否を判定できるのもこのプログラムの特徴です。

A(13)上述のように温度プロフィルを見て判断してください。多分、不適正な範囲だと思います。モデルにも誤差がありますから、ぎりぎりの選択をするのは危険です。

A(14)有りえるという意味では当然の結果でしょう。そういうモデルですから、水深が浅い場合は入力口径を大きく(実際にはスロット入力にしないと口径が大きすぎて計算と実情が合わなくなります)する必要があります。よくやるように槽内にふく流式のディストリビューターを設けるのもスリット入力がとりにくい場合です。但しこのモデルではふく流入力は含んでいません。

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Q34-2

蓄熱槽設計プログラムを試用していて、また疑問が生じましたので、質問を送付させていただきます。

TESEP-Wにて、蓄熱槽条件以外は同一で、各方式の蓄熱槽の最小容量の比較検討を行っています。病院10,000m²を想定して負荷条件はTES-FSで作って入力しました。その他の熱原則・2次側の諸条件は「蓄熱システムの設計と制御」48pの(7)2次側全て変流量の例に準じました。地下ピットを利用する連結型については建物側与条件として地下ピット1槽の内法は有効5m×5mとしました。

連結完全混合型は深さ1.5m程度の槽容量37.5m²で初期入力し、槽容量と槽数を求めました。

【結果】36m³(深さ1.44m)×10槽=360m³,蓄熱槽効率 124.2%・・・・・(1)

( see attached file; 連結混合 : 病院 B- 10,000m².sto)

連結温度成層型については深さを徐々に深くしていき、深さ 1.5~8.5mにおける槽容量と槽数を求めました。(例えば、5m×5m×3mH=75m³と初期入力し、結果が70m³×6槽となったので、再度5m×5m×2.8mH=70m³と入力し、その蓄熱槽効率等を求めました。)

【結果】37m³(深さ1.48m)×10槽=370m³,蓄熱槽効率 121.1%・・・・・(2)

48m³(深さ1.92m)× 8槽=384m³

115.7%・・・・・(3)

70m³(深さ2.80m)× 6槽=420m³

107.0%・・・・・(4)

90m³(深さ3.60m)× 5槽=450m³

99.8%・・・・・(5)

125m³(深さ5.00m)× 4槽=500m³

91.3%・・・・・(6)

213m³(深さ8.50m)× 3槽=639m³

73.9%・・・・・(7)

( see attached file: 連結成層 : 病院 B- 10,000m².sto)

並列 4槽温度成層型(自立水槽をイメージ)については、2,500m²の負荷条件で深さを徐々に浅くしていき、20~8m(7m以下は適正送水温度が見つかりませんでした。)における槽容量を求め、4倍しました。

【結果】512m³(深さ8.0m)蓄熱槽効率 87.0%・・・・・(8)

392m³(深さ9.0m) 119.0%・・・・・(9)

388m³(深さ10.0m) 120.5%・・・・・(10)

348m³(深さ15.0m) 127.9%・・・・・(11)

328m³(深さ20.0m) 134.9%・・・・・(12)

( see attached file: 並列成層病院B-2,500m².sto)

円筒形単-温度成層型については、深さ 22m×5槽を並列で使うことを与条件とし、2,000m²の負荷条件で槽容量および槽直径を求めました。

【結果】70m³(槽直径2mφ×深さ22m)×5槽=350m³,蓄熱槽効率 136.9%・・・・・(13)

( see attached file: 単一成層:病院B-2,000m².sto)

これまでは一般的な蓄熱槽効率の参考値を適用すると、上記の(6)(8)あたりを基準として、

連結完全混合型 約 640m³,蓄熱槽効率 70%(10槽の場合) → 約560m³、蓄熱槽効率 80%(15槽の場合)

温度成層型 約 500m³,蓄熱槽効率 90%

と考えていたと思います。 TESEP-Wがこのような一般的な参考値により経験的に決められてきたのをより正確な蓄熱槽の能力を把握し、正しい設計に導くためのツールであることは理解していますが、その乖離が大きく、蓄熱槽の考え方(例えば、同一条件下では温度成層型の方が効率がよい等)を改めなければならないような問題ですので、疑問に感じています。具体的には以下のような点であります。

 

連結完全混合型(1)は 15槽以上の連結が原則で、10槽では70%程度の槽効率しか取れないと考えていましたが、上記のように連結温度成層型(2)~(7)や並列温度成層型(8)~(10)に優り、非常に優れた効率を示しています。この方式は槽数を非常に多く確保しなければならなく、スペース的にそれが困難なことが採用の障害になっていると考えますが、これが正しければ、この程度なら地下ピットの確保は非常に楽になり、敢えて苦労して温度成層型を計画することが必要なくなると思われます。

連結温度成層型については、(2)(3)は槽内温度成層が形成されず、実質的には混合型であると考えられます。しかし、(5)~(7)は温度成層が形成され、(2)(3)や(1)に対して効率がアップすると思われますが、そのようにはなっていません。むしろ逆転しています。なぜでしょうか。

並列温度成層型については、特に(8)深さ 8mの効率が相対的に非常に劣ることと、7m以下で適正容量が見つからない点です。5,6m以上であれば、それなりに効率のよい蓄熱槽が可能と思われますがいかがでしょうか。

蓄熱槽が正常に動くか否かは蓄熱槽自体の設計よりも一次側・二次側の設計内容と運転状態に大きく受けるとのことでしたが、今回のように一次側・二次側の入力条件を高効率を導く好条件とした場合、蓄熱槽の諸条件が効率の良し悪しに与える影響がより少なくなってくるような(例えば、混合型の不利な面が打ち消される等)ことがあるのでしょうか。

(追加の質問)

TESEP-W入出力画面で熱量変動グラフや槽内温度プロフィール等印刷ボタンのないグラフや図・表をプリントアウトすることはできないのでしょうか。

本日は氷蓄熱技術コースに参加させていただきました。氷蓄熱についても1つだけお教えください。

「水蓄熱槽を確保することが可能であれば、氷蓄熱ではなく水蓄熱を採用すればよい。」とのお話が射場本先生からありました。「リニューアル物件において、スペース的な制約がある場合、蓄熱量を確保する上で氷蓄熱のほうが有利になり、氷蓄熱の方が経済性に優れる場合がある。」とのお話が合田先生からありました。では、スペース上の制約もなく安価に水蓄熱槽の確保が可能な場合は、基本的に水蓄熱槽の方が経済的に優れると考えて間違いないでしょうか。低温空調を行わない場合、氷蓄熱には、省スペース以外のメリットはありませんか。以上、よろしくお願い致します。

 

プログラム開発担当者回答-1

Q: TESEP-W入出力画面で熱量変動グラフや槽内温度プロフィール等印刷ボタンのないグラフや図・表をプリントアウトすることはできないのでしょうか。

プログラムの機能としては用意していません。 Windowsの機能のハードコピー(PrintScrn)機能を使用していただくか、CSV形式で保存したデータをEXCELで読込んでグラフ化することになります。以上、よろしくお願い致します。

 

プログラム開発担当者回答-2

(1)温度成層型について

温度成層型は深さもそうですが、槽への流入速度が温度成層化に大きく影響を及ぼします。ですから、パイプによる連結であれば、パイプの径を変更すれば効率も大きく異なりますので、今回の計算結果から温度成層型蓄熱槽の一般論を述べるのは危険かと思います。入力されているパイプの径と全体の流量から計算すると、流速が 2m/s以上となります。推奨値としては、0.1m/s以下と言われていますので、流速が大きすぎると思われます。

(2)連結完全混合槽型について

TESEP-Wで扱う連結完全混合槽型蓄熱槽は、入力項目から分かると思いますが、連通口の位置や寸法は入力していませんので、これらの影響は考慮されません。理想的に、各槽が完全に混合しているとして計算されています。このことが実現されれば、高効率なシステムは実現可能だと思います。逆に、TESEP-Wで高効率なシステム構築が出来たとしても、連通口の位置などが不適切で、死水域などが多くできれば、計算値どおりの効率は出ません。しかしながら、基本的な考え方に沿って、連通口などの設計が成されていれば、シュミレーションとの実測の値がほとんどあうことは、過去の論文で確認されています。以上、よろしくお願い致します。

以下中原先生の回答。

基本的には河路さんの回答の通です。補足すれば、

1.(1)については問題なし。但し 10槽でこの効率ということは二次側条件が相当に有利に設定されているようでそれ自体は大変に結構なことです。送水限界温度差も大きく取っているのでしょう。

2.(2)~(7)の連結温度成層型の計算結果を見ると、深さより総数の影響が大きいですから、完全混合状態になっている可能性が高い。計算中の温度プロフィルを見たら判るはず。

2.(8)~(12)については深さとともに高性能になっていますから次第に温度成層が強く実現していってます。

3.(13)はこれだけの深さで二次側条件が有利であればこうなるでしょう。

 

従来の常識は理論性がないのですからそれとの乖離が大きいということはそれほど従来の常識が誤っているということです。従来の値にしたければ負荷パターンを変え、二次側制御を三方弁制御にしたり、吸い込み三方弁制御を無くしたりすればすぐそうなります。そんなことをしては絶対にいけませんが、まさにそれが常識値が成立した時代のシステムです。

いろいろテストして頂いて結構なことに存じますが、入力条件 (アルキメデス数)、一次・二次限界温度差、二次側制御などをいろいろ変えて温度プロフィルの変動状況を確認しながらやって頂くと納得できるでしょう。ついでですが、

4.氷蓄熱について、仰るような条件の下では水蓄熱が氷蓄熱より省エネルギー性・経済性において間違いなく有利です。一つ言えることは、設計や制御ミスや故障があったときに水蓄熱のほうがその影響が蓄熱量に顕著に現れること及び、水蓄熱は設計者の責任設計ですが、氷蓄熱はメーカー主体の設計になるので設計者への精神的・実働的負担が少ないことはメリットといえますが本質論では有りません。

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Q35

新規にセントラル式の蓄熱システムを屋上に設置する場合の留意事項、一般論についてお教えいただきたく存じます。

【Q1】後付けで蓄熱槽システムを屋上に設置する場合、一般に建屋の荷重対策など必要なのでしょうか?その他、屋上設置に関する留意事項はございますか?

【Q2】ヒートポンプ蓄熱システムを後付する際、屋上空間は一般に利用しやすいのでしょうか?(十分なスペースを確保出来るのでしょうか?)また、屋上に設置スペースを確保出来ない場合には、一般に設置スペースをどのように確保しているのでしょうか?以上、非常に抽象的な質問で申し訳ございません。ヒートポンプ蓄熱システムの後付け設置における、屋上空間の利用可能性について、関心を持っております。

セントラルシステム、個別分散システムを問わず一般的に既存ビルの屋上に機器を設置する場合、共通の課題となっているのが、設置スペース・荷重・騒音です。

特に蓄熱システムの場合、蓄熱槽があり一般的な蓄熱材は水で水槽の容量はm²当たり1トンを超える場合が多く、既設建物に導入する場合、耐荷重検討が必要になります。また、夜間蓄熱を行いますので機器が夜中に運転しており、導入時騒音について十分な検討が必要です。

対策として防音壁など有効な手段はありますが、この時、ショートサーキットなどの関係で壁との離隔距離確保等の設置スペース検討が必要になります。

近年フロアスペースの有効利用のため、機器を屋上に置くケースが多く、その場合梁等を利用した基礎として鉄骨等を利用して加重分散を図るなどの工夫がされております。ただ、建ぺい率の関係で屋上がセットバックしたビルは設置スペースの確保が困難なケースが多いようです。

一般的にセントラルシステムは個別方式と異なり配管長の制約等が少ないため、設置場所については限定されることはありませんが、ユニット型などヒートポンプユニットは空冷のため屋外設置が原則で、屋上に置くのが一般的になっております。騒音対策はユニットの低騒音化も進んでおり、前途の防音壁等により致命的な問題ではないと思われます。また、設置する場合の重量検討について建設会社、電力会社で対応していただけるようです。

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Q36

蓄熱について、とある作業室において設計条件室内10度前後での蓄熱利用のメリットについて意見を伺いたい。一般的には低温ではメリットが出にくいと考えますが、何か良い案はあるでしょうか

室内設計条件10℃前後では、冷水による空調が難しくなるため、水蓄熱や氷蓄熱の利用が難しくなると考えられます。

ただ、全く利用例が無いという訳ではなく、東洋熱工業という会社の製品で、氷蓄熱空調機というものがあります。これは、低温(5℃DB以下)、高湿(90%RH以上)のウエットエアーを氷蓄熱空調機でつくり、低温環境を実現するものです。野菜などを貯蔵する冷蔵庫に適しているとされています。主な特徴としては、以下の効果があるとされています。

  • 低温高湿空気でみずみずしさを逃さない。
  • 従来の冷却方式(直膨式)と比べて貯蔵物重量の目減りが少なくなる
  • 氷水を使っているから凍結の心配は無用
  • 蓄熱だから割安な夜間電力が使えてお得・・・蓄熱のメリット

詳しくは、東洋熱工業のホームページをご覧下さい。

その他では前川製作所の蓄熱システムでLEM低温用潜熱蓄熱システムで0℃以下の低温蓄熱システムや、居室の空調ではありませんが、低温への蓄熱応用として、三菱電機のショーケース用の氷蓄熱システムもあります。

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Q37

エコアイスミニの適用を検討。場所の制約から、ドレンは極力出したくないのだがエコアイスミニに係る放出ドレン量はいかほどか。

エアコンの室内機から排出されるドレン水は条件により異なります。例として5馬力のエアコンの排出量を求めますと室内湿温度26℃50%、導入外気33℃50%として機器入り口のミキシングポイントを27.4℃50%と仮定機器5馬力能力は12,500kcal/h(14kW)空調機のバイパスファクター等が不明なので全て仮定としますが△i(エンタルピー差)を先にもとめると

△i=空調能力12500kcal/h÷(1.2kg/m³【1/V(比容積)】×空調機風量1980m³/h)

=5.26kcal/kg

機器入口ミキシングポイントのエンタルピi1=13.63kcal/kg

出口のエンタルピi2は13.63-5.26=8.37kcal/kg

このエンタルピ条件で空気線図より機器出口条件として湿度90%と仮定した場合

出口条件の絶対湿度x2=0.0084kg/kg

機器入口の絶対湿度x1=0.0116kg/kg

従って除湿量Jkg/hは

J=1980m³/h×1.2kg/m³×(0.0116-0.0084)

=7.6kg/h(水1kg=1リットル)

実際には機器のSHFやバイパスファクター等計算に必要な諸条件を省いて試算しておりますので詳しい内容についてはエアコンメーカーにお問い合わせいただければと思います。

また、エコアイスと通常のエアコンでは室内機へ入る冷媒温度が若干異なりますが、冷房運転のメカニズムは同じため除湿量の大きな差はありません。

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Q38

基本的な問題で恐縮ですが、水を使った蓄熱の場合、 1USRt 蓄熱するのに、どの位必要ですか。又、氷蓄熱を使った場合は、どうですか。

1.1USRtの蓄熱をする場合の必要な消費電力

(1)水蓄熱の場合:1USRtの蓄熱量は3,024kcal/hですが、空冷のチラー10HPで5℃の冷水を夜間25℃の条件で運転を行った場合の消費電力は6.4kWで機器能力は19,700 kcal/hとなります。

運転を3,024kcal分行うと考えると

3,024÷19,700×6.4=0.96kW

(2)氷蓄熱の場合:ブラインチラー10HPでは-5℃の冷水を同一条件で運転を行うと消費電力は6.7kW、機器能力は12.300kcal/hです。

3,024÷12,300×6.7=1.68kW

と消費電力量ではこの時点では約2倍となりますが、空調としての取り出し熱量は

• は5℃から10℃として100kgで500kcal

• は-5℃から10℃として57kg(0.96/1.68)で855kcalと多く利用することができます。

(スタートの条件【水の温度】や放熱ロス等を無視しているため実際の差はあまり無いと思われます)

2.1USRTの蓄熱を行う場合に必要なスペース

(1)水蓄熱の場合:冷水5℃で3,024kcalを15℃まで利用するときの量として水302.4kg

(2)氷蓄熱の場合:100%氷(0℃)とした場合15℃まで利用するときの量は31.9kgとスペースとして約1/10になります。

(実際には製氷率60%~70%程度ですのでスペースは1/6~1/7です。)

一般的には上記にもありますが、同一条件では水のほうが蓄熱時の運転効率が高いため蓄熱槽が確保できる場合は水蓄熱が有利になりますが、最近では蓄熱槽が小さくできる氷蓄熱システムが増加していると思われます。また、氷蓄熱システムは制御や付帯設備の関係上割高になりますが、低温送風、大温度差利用によりコスト的にメリットのある方式も増えております。

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Q39

エコアイスは冷房に関しての効果だけではなく、暖房に関しても効果があるのでしょうか。

エコアイスの暖房蓄熱は冷房同様、夜間(蓄熱調整契約時間)に約40℃の温水を蓄え暖房運転開始時に温熱を利用した運転行います。通常のエアコンは外気温度の低い状態での暖房運転になりデフロスト等による能力ダウンがありますが、エコアイスの温水利用時はデフロストもなく外気温度に影響を受けない為(温水利用の水冷式のエアコンになります)安定した高い暖房能力を発揮します。

料金的なメリットは把握しておりませんが、準寒冷地、寒冷地でのユーザーによると、やはり朝の立ち上がりが良く、当初は採用を心配していたが、実際使用してみるとまったく問題ないとの声が寄せられております。

以下に別紙に温熱利用のサイクル例を添付いたします。

運転パタ-ン例【暖房時】

 

注 ) 冷房蓄熱機能のみの機種もある ( 暖房負荷の少ない場合 , コスト面で優位 )

○温水蓄熱利用による各機能

  • 温水蓄熱利用の除霜制御運転により、安定した暖房運転
  • 温水蓄熱利用の暖房運転により、朝など立ち上がり時に

高い暖房能力

  • 温水蓄熱利用により、除霜運転【デフロスト運転】

注 ) 温水蓄熱利用の機能については、各機種により異なる。

また、温水蓄熱利用の能力,持続時間等についても各機種により異なる 。

運転モ-ド例【暖房時・暖蓄対応機】

蓄熱(温水蓄熱)運転【夜間】

温熱利用暖房運転【立ち上がり時】

温熱利用除霜運転【デフロスト】

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Q40

躯体蓄熱の設計例があれば教えてください。特に冷房(結露対策)

当財団の委員であり、躯体蓄熱研究会の幹事であります建設会社の方により以下の回答を頂きました。ご参考にしていただければと思います。

一般に公開された設計事例で、設計に必要な詳しい仕様などが紹介されている適切な資料はありません。しかしながら、下記の資料は躯体蓄熱の性能に関してまとまっていると思われますのでご紹介します。

・基礎実験 「躯体蓄熱空調システムの有効性に関する研究(その 1 ~ 7 )」川島 他

空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集 1998 年~ 2001 年

・シュミレーション 「躯体蓄熱空調システムの熱性状解析(その 1 ~ 6 )」占部 他

空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集 1997 年~ 1999 年

・実測 「躯体蓄熱空調システムの性能実測(その 1 ~ 2 )」粕谷 他

空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集 1997 年~ 1998 年

躯体蓄熱を蓄熱調整契約の対象とされる場合は、最寄の電力会社に問い合わせていただければ、標準的な仕様の情報が入手できます。

冷房の躯体蓄熱時に天井内で結露が生じる恐れはありません。例えば某ビル(神戸市内)(約 10 , 000 m²)での実測では躯体蓄熱中に床の表面温度は最も低い部分で 14 ℃程度に低下しますが、そのときの天井内空気の露点温度は 2 ℃程度です。しかしながら、外気が直接躯体蓄熱ゾーンに侵入すると結露を生じる恐れがありますので、そのような恐れのあるエントランスホールなどには躯体蓄熱の適用は避けてください。

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Q41

一般的な氷蓄熱槽では槽内を冷却して蓄熱を行う場合どのくらいの冷却速度 ( ℃ /h) で水を冷やしているのでしょうか。

ご質問の冷却速度ということに関しますと、

(1)蓄熱槽内が 0 ℃になるまで

(冷却速度[℃/h]=(冷凍機の 1 時間あたりの能力)÷(蓄熱槽水の比熱)

={(冷凍機能力[kW]× 3600 [kJ/h/kW])

÷{(槽内水量[m³ ])× 1000 [ kg /m³ ]× 4.19 [ kJ/(kg ・ K) ]}

ということになり、冷凍機の能力と水槽の容量によって異なるため、特に一般的な値はありません。一例を挙げますと、ある容量のユニット式氷蓄熱システム (冷凍機と氷蓄熱槽がセットになったもの)では、冷凍機能力(製氷)157[kW]、蓄熱槽容量約60[m³]ですので、この場合は約2.2[℃/h]ということになります。

(2)蓄熱槽内が 0℃になった後

槽内では水→氷の蓄熱変化が行われるため、槽内温度はほぼ 0℃のままになります。よって、ご質問の冷却速度は、単純に考えると0(℃/h)ということになります。

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Q42

弊社は 1000 坪程度の金属プレス工場の建設を計画しています。ランニングコストの少ない蓄熱式空調システムに関心があります。アドバイスをいただきたくお願いいたします。

工場等に蓄熱システムをご採用いただいたお客さまのお話をお聞きしますと、内部発熱が多くランニングコストが非常に高いというご意見が多く、蓄熱システムは非常に有効なシステムだという、お話しを聞かせていただいたことがあります。また、生産設備等を含め電力設備が大きく夏季等、電力消費量が増大しデマンドのため、空調を止めざるを得ないケースがあるが、蓄熱システムはピーク時に熱源機を停止し空調することが可能なため、非常に喜ばれているというお話しもありました。ただ、金属加工工場などの不具合状況として、室内にオイルミストが漂う雰囲気がある場合、パッケージタイプのエアコンを設置した場合、機器内の熱交換器がオイルミストの影響で腐食、破損があるという報告を聞いております。この点には十分ご注意願いたいと思います。当財団のホームページの導入事例にも工場へのご採用事例を掲載しておりますのでご参考にして下さい。また、蓄熱に関するご相談につきましては、電気料金も含め最寄の電力会社で工場への導入事例集等を作成していると思いますのでご相談いただければと思います。

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Q43 <学識経験者からの回答>

Q(1)2650 トンの単一温度成層水蓄熱槽を平成 9 年のリニューアル以来長年使用しています。昨年までのメンテナンス会社を変更しましたところ、昨年まで 21GCAL 程度の蓄熱容量があったものが、 50GJ 程度に下がってしまいました。メンテ会社の説明では、6度から 13.5 度を計算しているというのですが、現在の時期の大体蓄熱完了時の槽内の平均温度は、 7 度であり、通常に計算すれば、 17.3GCAL 、 72GJ の蓄熱量は確保できそうなのに、それが成り立ちません。

Q(2):昨年までの蓄積経験が役に立たずに、苦慮しています。変更点として昨年まで出口温度制御の方式をとっていましたが、現在は入り口温度制御方式に変更されています。

Q(3):運転形態は昨年まで、真夏日には前日の午後 11 時前後までに、 15GCAL 程度を蓄熱し、翌日の 7 時に一台目のターボ冷凍機 (750usrt) を投入し、 7 時 30 分に 2 台目を投入、開店の 10 時に最高蓄熱量、 21GCAL を確保して、その後消費量を勘案しながら、吸収式冷温水発生器容量 1.5GCAL/H2 台を順次投入するという形態でした。現状は生産量と消費量の乖離がひどく、見通しが立ちにくく増して昨年の経験が準用できないので、運営に苦慮しています。私は、貴センターの資料を一通り読破してみて、蓄熱槽の容量が、メンテ会社が変わったからといって、変化するはずがない。千トンの水を一度冷やせば 1GCAL の熱を蓄積することは、自明の理なのだと考え、貴センターに解決の糸口について、助言をお願いする次第です。

A(1):まず、蓄熱完了時の槽内平均温度 6 ℃というのが、敢えて蓄熱量を調整しているのではなく、全能力運転しているつもりなのにそうなっているとすれば運転状況が不具合であることに間違いありません。理由として考えられるのは、

1.冷凍機が出口温度低温カットで途中で停止してしまっている

2.10 時間連続運転しているが負荷制御(ターボならベーン制御)が動いてしまっていて実出力(非常に)が少なくなっている。

3.理由はわからないが、冷凍機能力が非常に低下している。

A(2):なぜ入り口温度制御にされたのか、ハンチング等の原因があったかもしれませんが、基本的に(定温蓄熱用)三方弁制御は出口温度を一定にするものですから入り口温度制御は好ましくないのです。従ってハンチング等でお困りだったとすれば、入り口温度制御に出口温度制御でカスケードさせてください。すなわち、制御そのものは入り口温度でやるのですが、目的の温度設定は出口温度とし、出口温度が上下した場合はその偏差によって入り口温度設定を変更してやるのです。この前提知識として、冷凍機能力は冷却水温度や冷水温度の変動とか、能力劣化によって変動するし、能力一定でも水量によって出口温度は変わると言う事を知っておく必要があります。もうひとつ、冷凍機内蔵の容量制御用の出口温度制御回路は生かしてはいけないということです。これが生きていると、往々にして三方弁制御系統と干渉して低負荷運転をしてしまいます。従って最も有りえる現象としては、

1.内蔵の容量制御用出口温度制御回路が生きている。

2.実際の出口温度が上記容量制御用設定温度の影響範囲に入ってしまって容量制御を余儀なくしている。

3.場合によってはさらにその下の定温カットの温度まで下がって冷凍機が停止しているかもしれない。

このような場合は、上述のように

1.内蔵の出口温度によるよう用制御回路をカットするか、その設定温度を低く( 3 ℃くらいに)する。

2.三方弁制御を出口温度カスケードにする。

そうすれば直ります。

A(3):マニュアルを読破していただければ上記のことが理解できると思います。少なくとも改修前は十分に蓄熱されていたと言うことならば、改修の仕方に誤りがあったということです。往々にして原設計の趣旨を十分理解せずに見かけの現象だけを頼りに改修して失敗することがあります。この設備の原設計者に相談されたのでしょうか?

以上が原因でなければ、もっと単純なことが原因かもしれません。また様子を知らせて下さい。

<追記>

それは、「蓄熱完了時の平均温度 6 ℃なのはおかしい」と書きましたが、これは私の書き違いでした。これは基本的には正常だと思います。したがってそのあとに書いたことは正しいのですが、それが直接の原因であるかどうかからは技術内容からは判断できません。以前は 21cal 蓄熱できたということは平均利用温度差で約 8 ℃取れたという事で、先ずは妥当な値でした。かなり良いほうだと思います。 50GJ = 12.5Gcal に下がったと言うことは温度差では 4.7 ℃ですね。ですから蓄熱運転開始前の平均温度は 6+4.7=10.7 ℃になってこれがおかしい、ということです。この原因を逆に推算すると、

1.放熱完了時点 (22 時 ) の槽平均温度が低い、ということになるから昼間に十分に放熱していないと言うことは吸収冷凍機のほうを余分に動かしてしまっている。

2.空調機の方に弁制御に不具合が有って、空調機コイル出入口温度差が十分取れておらず、蓄熱槽への冷水還り温度が低くなっている。従って ( 汲み上げ温度が 7 ~ 9 ℃くらいを上限したときに ) 温度差が十分に取れず、蓄熱槽効率が低下してしまっている。

1 の場合は昼間の放熱運転と吸収冷凍機の補助運転の仕方の問題ですね。これなら従来の経験がそのまま生きるはずです。 2 の場合は制御を修復すれば直りますね。但し、空調機の 2 方弁制御に変更してしまっていれば別ですが。

3.次に運転状況からの記述では 750USRT(=2268Mcal/h) の冷凍機で 2650 トンの蓄熱槽を冷やせば 1 時間に 0.86 ℃、 10 時間で 8.6 ℃の温度差がつきます。これは昨年までの運転実績の 8 ℃とほぼ一致しますね。

22 ないし 23 時の時点の槽内平均温度差が書いてないので何とも言えませんが、冷凍機が正常であり、夜間蓄熱運転を全能力で 10 時間できているのであれば、上の 1 ~ 2 とは矛盾します。即ち、蓄熱開始時 (22 時 ) の温度は 6+8.6 = 14.6 ℃になるからです。

記述からは、 23:00 ~ 7:00 の間の夜間は蓄熱運転していない、と言う風に読み取れます。但し、それが真実とすれば、お話しのような事実は起こり得ます。これは根本的に私達の描く蓄熱運転イメージ (夜間シフト運転 ) とは異なるので、今回はここまでにして上に記述した点についてそれぞれ確認してくださり、また質問してください。一日の運転モードと蓄熱温度プロフィルの変化、空調機への送水温度還水温度の変化の図を見せてくださればもっとましなアドバイスができるでしょう。

7月19日、ゼネコンをはじめ、私たちエネルギー管理センターを代表するもの、システムの担当企業、空調メンテ担当企業の、発生している不都合を解決する会議が開かれ、その中で、昨年夏季シーズンまでの出口温度制御から、冬季シーズンから、入り口温度制御に変更したために発生した不都合についても、討議されたようです。少し安心しました。

私のメールもこの打合せグループで紹介してください .参考になるはずです。

その後の検討結果と、蓄熱異常診断システムの利用結果を、感想を報告します。

発生している不都合を時系列順に列記しますと、
先ず、夏季シーズンに入って、蓄熱完了時の畜熱量が100ギガジュール程度で、ありました。私は、昨年までの21ギガカロリー程度を換算して、いいかなという判断に立ちました。
ところが、20人近くいる運転員のほとんどは、50ギガジュール以下は、使えないというのです。当時は、ターボ冷凍機一台を終日運転し、蓄熱槽を含めて、1日、30ないし40ギガカロリーを保証する段階です。

50GJ以下は使えない、という理由がわかりません.その前にここで言う熱量はどういう計算によるのか、最大温度プロフィルと最小温度プロフィルの差から計算した実績値か、仮定の基準温度から計算した熱量なのか?使えないということはそこまで使うと汲み上げ温度が高くなりすぎるということでしょうね.これから見えてくることは、

(1) 何らかの理由で蓄熱槽効率が悪い (ピストンフロー特性が弱い)と言うことと、

(2) 熱量計算用の基準温度設定が適性では無さそうだ、

ということですね。

当時ターボの入り口温度を 9℃ら9.5℃で運転する方法がはやり、効率は、低下するばかりでした。

定格入口温度より下げると言うことですね。これは冷凍機の容量制御と干渉させない、すなわちベーンコントロールを電流制御にするか、前に話したように容量制御用のセンサーの設定温度を 3℃くらいまで下げなければ、部分負荷運転するだけで意味がありません。

私は、入り口温度を11℃以上に上げて、効率を上げる、具体的には、ベーン開度を一段目、80パーセント、二段目100パーセントにする、昨年前半、一昨年の経験に戻るよう主張し、それを実行しました。そうすれば確かに効率は上がるのですが、昨年までより、効率は悪いのです。なぜなのか、この段階で、答えが解りませんでした。

ここもよく判らない、始めの効率と言うのは冷凍機の COPですね?あとの効率と言うのは蓄熱槽効率??とすれば、出口温度が5℃を確保できないと言うことですね?

次に、制御担当する企業が、前回報告した、計算する蓄熱量の範囲を 6℃から、13.5℃に変更しますと、蓄熱量は、50ギガジュール程度に減少しました。
消費量は、百貨店、量販店、専門店、結婚式場などの部門へのカロリーメータで把握しますので、此方が基本になると信じるのですが、生産量は、その60パーセント程度になる、ちなみに一昨年までも75パーセント程度でした。

6℃から13.5℃とはえらい変更ですね。計算式を見なければ何ともいえませんが、13.5℃以上の温度の分だけ熱量に計算すると言うことであれば無茶な話です。これはきっと(部分負荷運転のために)蓄熱が十分にできなくて13度くらいまでしか水温下がらないからなのか?それも無茶な話ですが・・

昨日過去の運転記録を調査してみますと、一昨年の7月には、106ギガカロリーの消費熱量をターボ二台で合計32時間運転
吸収式冷凍機一台13時間運転でまかなっており、これが定常状態でした。今年は、現在80ギガカロリーを少し越える程度の消費量が続いているのですが、午後一時半以降2台目の吸収式冷凍機を投入しています。
今年昨年の7月20日前後のターボの運転記録を比較してみると、昨年は、冷水の入口温度、出口温度が、一号機で8℃、4.5℃でも、ベーン開度、78、97パーセント二号機同じく8℃、5℃で80、100パーセントとなっているのに対して、今年は、一号機8.5℃、4.3℃でベーン開度57、702号機8.5℃、5.3℃に対して、ベーン開度、51、65パーセント、と何れもベーンを絞る傾向が明白です。

明白ですね。温度設定のまずさと、三方弁入口温度制御の問題と、容量制御との干渉とが原因であることが明々白々です。これだけのことなら、上述の方法で簡単に直せますし、さらにやはり出口温度制御に戻すべきです。

ターボ2号機は、今年の4月に製造企業が分解整備を行っています。
貴センターからご指摘の入り口温度制御に出口温度制御を変更したことに関連して、それにより発生した不都合とすれば、原因と解決方向も明らかになるように想います。
畜熱異常診断システムに対する意見は、少し使用してみて、使わせていただいたことに感謝しています。

7月23日、本日の進行から、報告しますと、ターボと、吸収式の営繕を担当する企業が、午前十時から、ターボの最適設定温度を6℃から5℃に変更するターボ自体の制御変更工事をやりました。先に報告した会議で、ターボの出口温度制御を残したまま、入り口温度制御にコンピュータ側の制御を変更したことに関連する矛盾は、討議にはなったらしいのですが、結局ターボの側をいじる事になったのでしょう。

私は、電気・発電所担当のエネルギー副長の任にあるのですが、先生の助言を蓄熱センターが発行しているマニュアル類から導き出した意見として、保安課長と、エネルギー室長に報告しました。

関心を持って、迎えられました。

私自身の理解力も限界にある事態に直面していますので端折って報告しますが、午後五時に、設定変更後のターボの二回のデータが取れました。吸収式もかんでいますので、入り口温度 13.5℃、出口温度5.3℃前後で、ターボのベーン開度は、一段目75ないし85二段目95ないし98パーセントに著しく改善されました。

保安課長とエネルギー室長に対する報告の中では、明日、私が、空調担当の監視盤勤務なので、ターボの出口温度設定を 4℃にしてみて、テストしてみるとまで、話は進んだのですが、このデータの結果を受けて、しばらく、このデータを集中して、検討するにしても、次の機会にしようとなりました。

疑問への追加報告

50ギガジュール蓄熱槽には、残っているのに槽内温度は、高温で15℃前後、低温は、10℃前後にまで上がっている状況を指して、使えないといっていた。

ここもよく判らない、始めの効率と言うのは冷凍機の COPですね?あとの効率と言うのは蓄熱槽効率??とすれば単位使用電力量あたりの発生冷水量として、効率を考えています。私は、電気専門なので、熱、空調については、現場で関心を持って追求をはじめて、いろいろわからないまま言葉を使っているところがあります。蓄熱量に対する疑問は、今も解けていません。

6℃から13.5℃とはえらい変更ですね.計算式を見なければ何ともいえませんが、13.5℃以上の温度の分だけ熱量に計算すると言うことであれば無茶な話です.これはきっと(部分負荷運転のために)蓄熱が十分にできなくて13度くらいまでしか水温下がらないからなのか?それも無茶な話ですが・

ここは、表現が誤っていました。 6℃から、13.5℃の間の槽内の冷水の保有熱量として、蓄熱槽容量をひろっているという意味です。現在23日現在は、亦、若干変更になっているかもしれないのですが、正確なところわかりません。

変更後のシステム担当企業は、マイナスのエネルギー表示を認めず、蓄熱エネルギーゼロを表示以降は、ゼロのままで、マイナス表示をしません。ここも昨年までの方法と変更されたところです。

異常蓄熱診断システムの試用結果

冒頭の蓄熱槽の水位低下、私たちも、昨年体験しました。原因は、尤もエネルギー使用量の大きい、私たちが直接コントロールしている専門店の二次ポンプサクヘッダの往弁のみを閉めて、還弁を閉めていないことにありました。畜熱システム使用後の午後七時三十分から、翌日の午前七時、の間の出来事でした。

二次側還水温度不都合に関して

先に報告した四つの系統の送水と還水温度の関係は、送水は、 6℃から7.9℃を維持する。還水は、系統によってまちまちですが、概ね15℃から18℃の範囲です。FCU関係は、還水温度、11℃以下です。試用してみて、私たちの現状を肯定的に評価しています。

槽内温度プロフールに関して、

追求は始まったばかりです。私たちの水準は、作業者の位置にあり、現在、技術者への向上を目指して奮闘中です。

全体を評価できる水準に私自身がありませんが、あえて報告しますと、不都合症状の項で、考え方が、ホップアップで示されることは、検討の方向を導いてくれると歓迎です。

私は、このプログラムの試用を今後の事態考察の手がかりにするつもりです。TESECOについても、今後学習をふかめ、私たちのビル管理事業に援用させていただきたいと心しています。

まったく不十分な報告ですが、以上報告を終了いたします。

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Q44

寒冷地で用いる氷蓄熱HPユニットの試験データ等が有りましたら教えてください。

当財団では機器の試験データ等はありませんが、個人的に寒冷地の状況について回答させていただきます。以前寒冷地にて氷ビルマを納入し寒いとクレームがでて温度調査を行いましたが、測定時日中外気温度 -2 ℃~ 0 ℃終日雪で、ヒートポンプユニットにとって過酷な条件でありましたが、朝から全室運転を行い一時間毎に測定した結果、腰のあたり(床より1m)で室温 22 ℃~ 25 ℃と設計値からみて何ら問題のある状態ではありませんが、新築前がFF式のヒーターを利用していたため体感温度によるものが大きいのではと思われました。また、数日データーを測定しましたが、蓄熱利用による暖房運転は午前中で終了し、午後からはデフロストが1時間に 2 ~ 3 回入っていましたが、断熱性の高い躯体が蓄熱されているため大きな室温低下はありませんでした。しかしながら測定日は全数朝から運転を行っていたため、不具合はありませんが、実際使用するとき応接室、役員室、会議室は通常使用しておらず廊下等が、倉庫と直通しているため建物内でも 10 ℃以下という厳しい状況で特に役員室、会議室は夕方からの使用が多く会議 1 時間前に運転を行っても室温が立ち上がらないということでした。また、別件でのクレームは同様に階下が駐車場ということで、おそらく未使用室の立ち上がり不足が原因ではないかと思われます。

話を最初に戻しますが、寒冷地においてヒートポンプエアコンが使用できるかどうかという点になりますが、 -10 ℃以下であれば -15 ℃対応のインバーター機でほぼ問題はありません。( -10 ℃対応のノンインバーター機は運転は可能ですが 0 ℃以下の雪の日はデフロスト解除に時間がかかり問題になるケースがあります。)現在のエコアイスのインバーター機は -15 ℃対応で暖房能力アップ型というものも有りますので上述のような、通常使用しない部屋を系統分けしておくことにより、(通常使用しない部屋は氷によるメリットも少なくなります)満足できると思われます。設計には、外気温度補正、配管長補正、デフロスト補正を行いギリギリでなく若干余裕のある機器選定をすれば室内機ヒーターなしでも問題ないと思われます。また、あるメーカーでは寒冷地専用機で -20 ℃まで運転が可能な機種もあります。

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Q45

氷蓄熱システムは水蓄熱システムより蓄熱容積を縮小し、蓄熱槽からの熱損失を低減できるが、冷凍機の運転効率・冷凍能力は低下するというのは本当か。

一般的な空調機ですが、たとえば夏場で出口水温を 7 ℃としますと外気温度条件により効率は変わります。外気 30 ℃の状況と 35 ℃では機器の効率は外気温度が低いほうが出口水温と外気温度の差が小さいため効率は高くなります。同様に夜間外気温度 25 ℃の条件は冷水 5 ℃(水蓄熱)の取出しと -5 ℃(氷蓄熱)では上記同様温度差が大きい方が機器効率が低下します。したがって一般的には氷蓄熱はエネルギー効率が悪いと言われております。しかしながら最近は、氷蓄熱を利用し大温度差、低温送風といった方式により蓄熱運転時の効率で劣る部分について 2 次側を含めた日量効率の改善やイニシャル、ランニングコストの低減が図られております。さらに、地球環境負荷で考慮するとCO2排出のない水力、原子力がベースとなる夜間電力利用比率を上げることが国を挙げての政策であると思われます。また、ビル用マルチでは同様に一般空調時と氷蓄熱時では効率低下はありますが、氷蓄熱の利用方式の工夫により、蓄熱をしないビル用マルチの定格運転時の成績係数(COP)は 2.5 ~ 3.5 ですが、氷ビルマルでは定格時のCOPで 6.0 以上、日量COP(夜間、昼間の合計)で 3.0 を超えるものもあり同一テーブルで効率を判断してないため同等以上とは言えませんが、かなり改善されてきていると思われます。

ビル用マルチの氷ユニットは蓄熱時の熱の利用方式がセントラル方式と異なります。セントラル空調方式は、作った氷の熱を熱交換器等を介して水を冷やして空調として利用しますが、ビル用マルチは冷媒を直接搬送して空調を行うシステムですので、夜間に作った氷の熱は日中の冷媒の温度を下げたり、冷媒を凝縮させるために利用されます。冷媒は大気圧では -40 ℃前後でガス化しますが、夏期は外気 30 ℃で冷媒をガスから液に凝縮するためかなり高圧にしなければなりませんが、氷ユニット内で凝縮させると水温は 0 ℃ですから非蓄熱機と比べかなり圧縮比が下げられ消費電力を低減でき、定格運転時のCOPで 6.0 部分負荷運転時では 8.0 といった高COPになるものも有ります。

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Q46

氷蓄熱式チルドタワーと空冷チラー、水冷チラー、ターボ冷凍機、ガス焚き冷温水発生器の仕組みと違いについて教えていただきたいです。また、氷蓄熱式チルドタワーは空調などをすることができますか。

お問い合わせのありましたシステムは用途が異なりますが、冷水を供給するシステムとしては共通している部分はあります。氷蓄熱式チルドタワーは日立金属製の商品名だと思われ構成機器は水冷(+冷却塔)または、空冷チラー+氷蓄熱槽が一体となっている商品です。使用用途はプロセス(物品冷却)が中心で空調用途とは異なります。空調用の冷水温度は 5 ℃~ 7 ℃が一般的ですので 10 ℃~ 30 ℃では空調用途には利用できません。この温度での商品名は一般的に中温用チラー(空冷、水冷)になります。プロセスの利用としてチラー、氷蓄熱を組み合わることはシステムとしては可能ですが一体化した商品としては特殊な機器と思われます。

次に機器の特長、仕組みですが氷蓄熱式チルドタワーはチラーのカテゴリーに入りますのでチラー、ターボ冷凍機、冷温水発生機の3種類それぞれご説明させていただきます。

チラー:空冷式及び水冷式とありますが基本原理は同じです。主な構成部品は圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁になり、機器内に封入された冷媒を循環させ圧力コントロールにより冷水(温水)を作る装置です。冷却のサイクルですが、機器内の冷媒は大気圧では -40 ℃以下で気化する物性のものですが圧力を変えることにより機内でガス、液と状態変化(潜熱移動)により冷水(温水)を作りだします。

ガス冷媒は圧縮機で圧縮され高温高圧のガス冷媒となります。この高温高圧のガス冷媒は凝縮器内で空気(水冷式は水)に熱を放出し液化します。そして凝縮器を出た高温高圧の液冷媒は蒸発器の手前の膨張弁にて減圧され蒸発器内で水の熱を奪いながら蒸発(ガス化)し圧縮機に入ります。この循環で冷水を作り出します。水の熱を奪う=冷水を作るということになります。また、凝縮器で熱を放出するということは水を温めるということになるので温水( 45 ℃程度)が作られ暖房用途として利用できます。

ターボ冷凍機:基本的な冷却の工程はチラーと同じです。圧縮の方法が異なり圧縮機の部分が羽の(インペラー)高速回転による遠心力にて行い、チラーより低圧力で圧縮を行います(冷媒が異なります)大量の冷媒の圧縮に適しているため大容量の装置となります。(冷媒の違いによる高圧もあります)地域冷暖房や大規模ビル、大工場の冷却等に利用されます。

一般的に小中規模はチラー、大規模はターボという用途になります。(大型のチラーもあります)

ガス焚冷温水発生機:吸収式冷凍機で暖房時ボイラー機能により温水を作る装置を冷温水発生機と言い、燃焼にガスを利用しているもので、その他、油(重油、灯油)、高圧蒸気で駆動するものもあります。上述のチラー、ターボは電動モーターにて駆動しておりますが、吸収式冷凍機は圧縮機がなく振動が少なく電力消費が少ないという特長があります。しかしながら、ターボ冷凍機などと比較して機器が大きく設備スペースを必要とし、燃焼を伴うため、換気設備が必要となるため設備コストが割高になります。

吸収式は、冷凍サイクルが異なり主な構成部品として蒸発器→吸収器→再生器→凝縮器となります。冷凍の原理と同じ考えですが、冷媒は水で蒸発器内を真空状態(減圧)にすることで冷媒の水が蒸発し易い状況を作り、蒸発器内の冷水配管内の水から熱を奪い、蒸発した水を吸収器内で臭化リチウムに吸収させます。次にこの水を含んだ臭化リチウム溶液の水を分離するため再生機に送り加熱し水を蒸発させ、臭化リチウムは吸収器に戻り、再生器で蒸発した水は凝縮器で冷やされ蒸発器に戻るというサイクルで冷水を作ります。ガス焚の場合再生機の加熱の部分でこの熱を利用しています。比較的小型のものもありますが、ターボ冷凍機のように、大型、大規模での空調用途が一般的です。

最後に蓄熱ですが、一般的に蓄熱方式は水か氷に冷熱を蓄えるのが一般的で効率面では水蓄熱のほうが有利ですが、氷は水と比べ潜熱利用で 80 倍の熱を蓄えられますからスペースの関係で現在は氷蓄熱方式が多くなっております。ご存知のように蓄熱は燃焼のない原子力、水力発電比率が高い夜間電力を利用しますから、CO 2発生量が少ないことから環境にやさしいと言われ、国策として蓄熱システムの普及を推進しております。

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Q47

水蓄熱槽の溶存酸素低減方策として用いられる表面被服材を扱ってるメーカーを教えてください

最近DHCプラントの蓄熱槽で採用されている給水タンク、冷温水槽の酸素再溶解防止用「ファインボール」という商品があります。表面被服材として有効と思われますので扱っておりますメーカー栗田工業?をご紹介いたします。

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Q48(研修会での質問)

(1)下記の様な蓄熱槽において、その有効率はどの程度か? 当方では 20 %と考えていた(もちろん流量や 2 次側温度差にも影響されると思うが)

(2)また連結完全混合型の一槽あたりの規模は効率面から考えた場合、最大規模はどの程度か? 大きすぎた場合、死水が発生し、効率が下がると思うので。

(1)括弧書きの部分が最も重要なので、その条件が定まらなければ蓄熱槽効率や死水域率は定まりません。特に、講義で話したように、一次側低温設定制御、二次側2方弁変水量制御の採用の有無が決定的要因です。その影響度についてはテキスト中の蓄熱槽効率推定表の説明をよく読んで下さい。また、 6 槽ということだと、連結温度成層型蓄熱槽 ( もぐり堰方式という場合もあります ) でなければなりません。連結完全混合槽型蓄熱槽を用いるには槽数が少なすぎて極めて低効率になります。 然し図のような 1.1 mの深さで温度成層を実現するには図示の円形の入力口では駄目で、例えば、最低部と最高部に 10 cm高さで横幅は 4 mのスリット或いはもぐり堰を用いなければ、 ( 講義で話したように ) 温度成層は実現せず、完全混合になってしまい、結果として低効率に陥ります。

(2)1 槽当たりの規模を言うよりは総数の最小限を言うほうが正しいです。連結完全混合槽型の場合は最低 1 5槽以上無いと非常に低効率化しますし、連通口の位置が悪いと死水域が発生してさらに低効率になります。講義でも話したように、連通口は上 ( 水面ぎりぎり ) 下 ( 床面ぎりぎり ) 、左右に振るというのが原則でそうすれば 15 槽以上あれば各槽の完全混合性は保たれます。仮に隔壁の中央位置に連続して非常に大きな連通口兼人通口が在ったとしましょう。これが 5 槽ぐらいでしたら間違いなく槽の下部或いは上部に死水槽ができてしまいます。ただしこの場合でも仮に 50 槽有ったとしましょう。そうすると仮に最大温度差が 10 ℃としても隣接槽同士の温度差は 0.2 ℃となるわけで、温度成層にはならず、自然に完全混合になってしまうであろうことは想像できるでしょう。 実際には 15 槽以上あって上述のように上下左右の原則 ( 心持ち上下、左右ではいけません、底と水面近くです ) を堅く守れば同じように完全混合になります。

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