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蓄熱システムの熱源機器に対する騒音対策マニュアル

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 蓄熱システムに限ったことではないが、特に夜間運転を主体とする蓄熱システムでは屋上に多く設置される空気熱源ヒートポンプの騒音伝播が敷地境界を越えて近所の騒音公害に発展することが少なくない.騒音防止条例に基づく敷地境界線における上限値を下回る値であっても、現実に近所の住宅等において苦情が出るようでは蓄熱システムの普及にも支障が出ます。また、騒音対策手法のために熱的特性の低下を来たすこともあるため、当初から設計に織り込まねばなりません。
 本マニュアルは前後に基礎編と実務編を配置し、基礎編では音と振動の物理、防音防振の基礎並びに騒音規制と室内騒音基準について解説しています。実務編においては広く営業的目的、設計者向けの両方の希望を満たすために簡易評価法と詳細計画法を、それぞれマップ法、パターン法および詳細計算法として紹介しています。マップ法は、敷地境界における規制値の大きさに応じた、機種の大きさと敷地境界線からの距離によるマップを作成し、大雑把に騒音対策の必要性の程度を判定できるようにしたもので、パターン法は機械の設置スタイルと受音点との幾何学的位置関係を分類してパターンを作り、パターンごとに適切な防音防振対策を図表にて示したものです。計算法は実施設計に当たって防音防振構造を数値的に計算するためのものです。

◆第1章 本マニュアルの構成と使い方
 基礎編  
◆第2章 音・振動の基礎事項
    音と振動の物理特性、伝播と減衰の機構、ならびに設計目標値について解説している。
◆第3章 騒音・振動の低減方法
    遮音と吸音、防振について原理と応用を記す。
 実務編    
◆第4章 騒音・振動対策マニュアル
    簡易対策法として、熱源機の冷房能力によって機器発生騒音を、また、機器より受音点に至るまでに必要な対策を、対策不要と対策不能を含めて7種類にパターン化し、地域規制値の厳しさごとに熱源能力と距離に対して対策種類を選ぶマップを作成した。その前提条件は付録に記述されている。
より精度の高い方法として、音源、振動源となる機器の位置と周囲の状況によってパターン化した防音構造から設計留意事項を選択するものがある。最も精度の高い方法として理論計算式を用いる「計算法」を最後に示した。
◆第5章 具体例とその評価
    マップ法、パターン法および計算法を用いて防音対策を判定した三つの事例を示した。
【添付資料】 1.主な室内騒音の評価指標
2.東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(抜粋)
3.騒音規制法に基づく規制基準の都道府県・指定都市別設定状況
4.騒音規制法の体系
5.遮音材料(塀の材料メーカーリスト)
6.消音器(消音器のメーカーリストと施工例)
【付録】 1.マップ法で使用するマップ作成の前提条件
   【参考文献・引用文献リスト】

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