蓄熱槽の容積と水温の経時変化の関係を見るために、ここでは、単純化のため、立方体の水をコンクリートで囲ったモデルを考えて数値シミュレーションしてみます。(図-1)
与条件を下記のとおりとします。この条件下で、時間の経過とともにどう温度変化するか、数値シミュレーションにより比較します。試算パターンは、立方体の大きさの違う、下記の2ケースです。なお、コンクリートの熱容量は考慮しないものとしました。
【条件】
【試算パターン】
図-2は、数値シミュレーションの結果です。
容積が大きい方の温度降下が小さいことがわかります。
これは、体積あたりの表面積(放熱面積)が少ないため、放熱量が少なくなるためです。
このように、蓄熱槽が大きくなればなるほど、熱損失は少ないと言えます。
参考として図-3に「体積」と「単位体積あたりの表面積」の相関を示します。立方体を条件として試算しました。
体積が大きくなるにつれ、単位体積あたりの表面積が急激に小さくなることがわかります。
前述の試算ケースにおける単位体積あたりの表面積は下記のとおりとなります。体積が1,000倍になっても、表面積は100倍しか増えず、単位体積あたりの表面積は1/10になります。
1,000m3の立方体の場合
600m2/1,000m3=0.6m2/m3
1m3の立方体の場合
6m2/1m3=6.0m2/m3