「空気調和機」と「エアコン(エアーコンディショナー)」

「空気調和機」、簡略化して「空調機」とは 、文字通り「空気を調和」する、 「空気を調整」するための機器のことを言います。では「空気調和」とは何でしょうか。

「空気調和」とは、対象とする室内、もしくは特定の空間における、空気の温度、湿度、清浄度を調整することを言います。清浄度を保つことには、浮遊粉じんを取り除いたり、外気を導入して有害ガスを希釈したり、臭気を取り除くことが含まれます。人が大勢集まる部屋では、二酸化炭素濃度や水蒸気濃度があがります。外気を導入して二酸化炭素濃度を下げることは、空気調和の大きな役割の一つです。

さて、家庭用で使われているエアコン(エアーコンディショナー)はどうでしょう。実は、エアコンは外気を導入する仕組みを持っていません(表-1)。

エアコンから吹き出している空気は、室内空気を吸い込んで、フィルターを通り、コイルで冷媒から冷温熱を受け取って吹き出されているものです。室内の二酸化炭素濃度を希釈するためには、換気扇などのシステムを別途考慮する必要があります。

一般に、日常会話においてはエアコンと空調機を区別することなく使われていますが、厳密にはエアコンは「冷暖房機」と言えます(図-1)。

空調機とエアコンが調整する空気環境要素 エアコンにおける空気の流れ

一方、空調機は、空気調和のために新鮮外気の導入を行います(図-2)。

ただし、新鮮外気の導入は負荷が大きいため、必要最小限の新鮮外気(OA)と屋内からの還気(RA)の一部を混合させ空調機に送っています。従って、排気量(EA)=外気量(OA)、給気量(SA)=還気量(EA)-排気量(EA)+外気量(OA)=還気量(RA)となります。
空調機には、フィルタ、冷却コイル、加熱コイル、加湿器が備えられ、所定の空気質で送風し、適切に配置された吹出し口から冷温風を吹き出します。

空調機における空気の流れ
  

空調機の概観を図-3に示します。

空調機概観【東京電力(株)ご提供】
ページの先頭へ

コラム一覧ページへページを閉じる