2次側システム(三方弁、二方弁)

 2000年代以前、2次側空調システムには定流量制御(図1)が一般的に採用されてきました。当時は汎用インバータが割高だったため、経済性の理由から変流量制御(図2)は採算が合わなかったのです。
 ポンプ流量が一定の定流量制御(図1)では、空調需要が少ない時間帯の軽負荷時、例えば、空調機での出入り口温度差10℃(7~17℃)、冷水流量60%とした場合、残りの冷水(流量40%、温度7℃)はバイパス配管を単純に通過します。空調機からの出口水(流量60%、温度17℃に昇温)とバイパス水(流量40%、温度7℃)は、空調機出口三方弁で混合されて流量100%、温度13℃となって蓄熱槽に戻されます。即ち、蓄熱槽の往還温度差10℃(7-17℃)を確保することが難しくなり、槽内の温度プロフィールが乱れる事例が多くみられました。

 それを改善する手法の1つは、ポンプの変流量制御(図2)です。変流量制御では空調機の出入り口温度差10℃(7-17℃)を一定に保ちつつ流量を低減することで、空調需要が少ない軽負荷時においても、室内側への安定した冷風供給を保ちつつ蓄熱槽の往還温度差10℃(7-17℃)を確保することが可能です。同時に、水搬送動力は流量の3乗に比例するので、冷水流量の低減によりポンプ動力の削減をもたらします。

近年、汎用インバータの小型化・低廉化が進み、広く普及するようになり、現在では変流量制御が主流となっています。

図1

図2



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