理事長挨拶

一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター

理事長 小宮山 宏

 世界各国において、新型コロナウイルスとの戦いが依然として継続しておりますが、一方で、地球温暖化対策の取組は、加速されようとしています。我が国でも、2050年度までのカーボンニュートラル実現への挑戦を背景に、2030年の温室効果ガスの削減目標を大幅に引き上げることが表明されました。この高い目標を実現するためには、再生可能エネルギーの導入やそのために必要な電力需給バランス維持に対する取組をさらに加速していく必要があります。第6次エネルギー基本計画においても、再生可能エネルギーの主力電源化の徹底や需要サイドにおける省エネルギー、エネルギー使用の合理化等へのさらなる取組強化が求められております。
 ヒートポンプ・蓄熱システムは、再生可能エネルギーである大気中の熱等を活用する効率の高い技術であり、汎用性も高く、需要サイドにおける省エネルギーを実現する上でも極めて有効であることから、脱炭素社会実現という高い目標に向け、その活用、技術の進展に大きな期待が寄せられています。我が国が、電化等の活用を中心とするエネルギー需要高度化や全体最適化に向けた取り組みを、世界の流れに遅れることなく、先導的に対応していきたいものです。
 今年6月には、家庭用給湯機「エコキュート」が、出荷台数750万台を突破し、家庭分野での導入が進んでいる中、本誌では、主に業務用・産業用のヒートポンプ・蓄熱システムを活用して、省エネルギー・省CO2、ピーク電力削減などを実現した様々な業種の事例を数多く掲載しています。今後は、これまで利用されていなかった熱をヒートポンプで回収し有効利用するなど、カーボンニュートラル実現の切り札として、ヒートポンプ・蓄熱システムの導入が、幅広い分野においてますます増えていくことを期待しております。
 私どもヒートポンプ・蓄熱センターは、「ヒートポンプ」と「蓄熱」に関する国内唯一のナショナルセンターとして、環境にやさしく経済的なこのシステムを、国内にとどまらず、海外にも普及拡大を図り、脱炭素社会に貢献してまいります。
 これからも、当センターの活動に対し、さらなるご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 2021年10月