家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機”エコキュート”の累計出荷台数800万台突破について
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターは、家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート(※)」の普及拡大に取り組んでおりますが、本年3月末現在で累計出荷台数が800万台を突破(一般社団法人日本冷凍空調工業会による統計値)しましたのでお知らせいたします。
「エコキュート」は、再生可能エネルギーである空気中の熱エネルギーを集めて活用する省エネルギー技術「ヒートポンプ」を利用した給湯機で、家庭で消費するエネルギーの約1/3を占める「給湯」分野において、大幅なエネルギー消費の抑制を可能にしました。
2001年に世界で初めて商品化されて以来、床暖房なども行うことができる多機能機種や省スペース型機種など、お客さまのニーズを踏まえたさまざまな特長を持つ機器を製品化してきました。
また、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、2021年10月に改訂されたエネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略では、2030年までのエコキュートの普及目標が1,400万台から1,590万台に上積みされたことを踏まえ、一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターは、今後も引き続き、高い省エネルギー性を有し、地球温暖化対策への貢献が期待できる「エコキュート」の普及を通じて、電気の需要面における「エネルギー消費の効率化」を推進してまいります。
※「エコキュート」の名称は、電力会社・給湯機メーカーが自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機の愛称として使用しているものです。
1.エコキュートの累計出荷台数の推移

※数字は小数点以下第1位を四捨五入
2.エコキュートの仕組み
「エコキュート」はヒートポンプの原理を利用した給湯システム。空気の熱を熱交換器でCO2冷媒に集め、その冷媒を圧縮機でさらに高温にして、お湯を沸かす仕組みです。空気の熱を上手に活用するため、投入した電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを得ることができ、これにより高い省エネルギー性と従来型給湯器に比べCO2排出量の削減も実現できます。


(参考)ヒートポンプを巡る最近のトピックス
【国内の動き】
2021年10月に改訂されたエネルギー政策におけるヒートポンプ式給湯器への期待
2050年にストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能が確保されているとともに、その導入が合理的な住宅・建築物における太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となることを目指す。
住宅・建築物における太陽光発電は、需要と供給が一体となった利用を進めることが重要である。
その際、太陽光発電は発電が可能な時間帯が集中することを考慮し、電動車、ヒートポンプ式給湯器、燃料電池、コージェネレーション等の地域の特性に応じた普及とともに、住宅・ビルのエネルギー管理システム(HEMS・BEMS)やICTを用い、これらが、太陽光発電の発電量に合わせて需給調整に活用されること(電気・熱・移動のセクターカップリング)が一般的となることを目指す。
また、電動車の充電設備は、太陽光発電による発電時間と駐車時間を合致させることも考慮して配備を進める。
これら住宅・建築物における取組により、電力システム全体の需給バランス確保に寄与する。
また、ヒートポンプ式給湯器等の熱利用の省エネルギー対策と併せて、外気温に影響されにくい地中熱、バイオマス熱等についても、地域の特性に応じて利用モデルを構築し、住宅・建築物への普及を促進する。
さらに、電力供給の脱炭素化とともに、くらしにおいて、エネルギー利用の効率化を前提とした電化、水素化等も有効である。

※パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略からの抜粋(2021年10月22日)
【国際的な動き】
国際エネルギー機関(IEA)によるヒートポンプの評価
2021年5月に、IEAは、COP26議長国英国からの要請に基づき、2050年カーボンニュートラル達成のロードマップを発表しました。
このロードマップでは、ヒートポンプ技術に対して次のような記載があり、その役割に大きな期待が込められています。
(建物分野)
ヒートポンプはカーボンニュートラル技術の第一選択肢となり、2050年には世界の建物分野の暖房需要の55%を賄う
(産業分野)
産業用ヒートポンプは特に低中温度域の熱需要の電化に重要な役割を果たし、2050年には世界の産業分野の熱需要の30%を賄う
詳しくはこちら
Net Zero by 2050
この件に関するお問い合わせ先
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター 担当 渡辺
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