プレスリリース

2023.08.30

海外のヒートポンプ普及状況に関する調査報告書の公表について

欧米におけるヒートポンプの関連政策と普及状況

国際的に脱炭素の取組みが加速する中で、国内でもエネルギー基本計画の改訂など、エネルギー政策は転換点を迎えています。
当センターでは、2021年度に環境・エネルギー政策において先行する欧米諸国を対象に、各国のヒートポンプ関連政策及びヒートポンプの普及状況等について調査を行い、その調査結果を要約版として取り纏めました。
2022年度から2023年度にかけて、追加調査を実施しましたので、要約版の更新資料を本Webページに掲載いたします。

詳細は調査報告書をご確認ください。

調査報告書登録先

エネルギー情勢・政策 海外編

調査の背景

  • 国際的に脱炭素の取組が加速する中で、エネルギー政策は転換点を迎えており、日本においては、第6次エネルギー基本計画の中でエネルギー消費側の電化が明記された。産業分野での低温帯の熱需要並びに民生部門に対しても、省エネ・省CO2性に優れるHPなどの普及拡大施策が期待される状況である。
  • 本調査は、環境・エネルギー政策において先行する欧米諸国を対象に、各国のHP関連政策及びHPの普及状況等を整理し、国内のHPに関連するエネルギー政策や普及拡大施策のあり方を検討する基礎資料とすることを目的としている。

調査報告書の概要

<調査項目>欧米におけるHPの政策的位置づけ、HP市場動向、今後の見通しと課題等

欧州動向

  • HPによって利用される空気熱等を再生可能エネルギーとして定義しており、REPowerEU計画においてHPの導入率を現状より倍増させ、2022年以降の5年間で累計1,000万台の導入を目指すという目標を掲げている。
  • 省エネ基準や環境規制の中で、化石燃料による暖房機器からHP等の再エネ技術への転換時の補助制度、さらに新築住宅における石油暖房利用の禁止や新築の省エネ基準の要件として、エネルギー消費水準だけでなく、暖房等エネルギー使用用途別のCO2排出量の上限を設ける国もある。
  • 欧州HP協会が公表している「European Heat Pump Market and Statistics Report2022」によると、2021年における欧州21ヵ国のHPの販売台数は217万台となり、対前年比で34%の成長率を遂げ、新たな販売記録を更新している。

米国動向

  • 連邦政府の2050年までのGHG排出ネットゼロに向けた長期戦略の中で、建築物のエネルギー効率を飛躍的に向上させ、HP空調、HP給湯機、IH調理器、電気衣類乾燥機などの電気製品の販売シェアを拡大することが重要と明記された。
  • 全米における2021年の空気熱源HP出荷台数は約430万台である。また、州によっては、HP空調やHP給湯機を導入する際に、エネルギー事業者等によるリベート提供、税制控除、低利融資プログラムといった支援措置がある。

欧米のHP市場動向、今後の見通しと課題

  • IEAの将来予測によると、1.5℃という世界的な気候目標に合致するシナリオ※1では、2030年までのHPの導入容量は現状の約3倍となる見込み。
図1.各国のヒートポンプ機器の普及見通し(出所:各種資料に基づき作成)
  • ヒートポンプ普及に向けた主な課題としては、設備の初期投資費用(イニシャルコスト)、エネルギー価格(ランニングコスト)、設置事業者の不足、冷媒規制等が挙げられる。
  1. ※12015 年のパリ協定にて、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて、1.5℃に抑える努力目標を掲げている。

《印刷用》News Release 海外のヒートポンプ普及状況に関する調査報告書の公表について

この件に関するお問い合わせ先

一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター 担当 田中、平田
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目28番5号
ヒューリック蛎殻町ビル6階
TEL.03-5643-2402 FAX.03-5641-4501