News Release

2024年11月13日
 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター


海外のヒートポンプ普及状況に関する
調査の更新について


 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターでは、2023年8月30日に公表しました「海外のヒートポンプ普及状況に関する調査」を2024年度版に更新しました。

〇背景・目的
 わが国のエネルギー政策においては、ヒートポンプがカーボンニュートラルに資する機器として認められており、今後のヒートポンプ普及拡大が期待されています。そこで、欧州および米国におけるヒートポンプ関連政策や市場動向等を把握し、わが国においてもより一層のヒートポンプ普及拡大に向けた施策検討の参考としていただけるよう、「海外のヒートポンプ普及状況に関する調査」として取りまとめています。

〇調査概要
 「海外のヒートポンプ普及状況に関する調査」では欧州および米国におけるヒートポンプに関連した以下の項目を取りまとめています。

  ①ヒートポンプの政策的位置づけ
  ②エネルギー概況、熱需要、設備事情
  ③ヒートポンプがもたらす効果
  ④ヒートポンプの市場動向
  ⑤今後の見通しと課題

〇今回の更新概要
 以下に概要を記載のとおり、ヒートポンプの市場動向および政策的位置づけや課題等について更新しました。欧州の市場動向を踏まえたヒートポンプ普及の課題については、わが国にも通じるものがあると考えています。

<欧州の市場動向>
 • 2023年には、欧州21か国で合計302万台のヒートポンプが出荷され、普及台数(ストック台数)は約2,400万台に達しました。しかし、2022年の出荷台数は合計323万台のため、2012年以降初めて対前年比で減少しました。この主な要因としては、各国の政策変更やエネルギー価格の影響が挙げられます。

<米国の市場動向>
 • 2023年においては、空気熱源ヒートポンプおよびガス暖房機器等の出荷台数が対前年比で減少しました。米国国勢調査局の公表データによると、2023年全米における新築住宅数のうち戸建住宅分が減少しており、この点も出荷台数の減少につながったものと考えています。

<今後の見通し>
 •IEAの将来予測によると、1.5℃という世界的な気候目標に合致するシナリオでは、ヒートポンプの普及が加速することにより、2030年までのヒートポンプの導入容量は現状の約3倍となり、ヒートポンプ式温水暖房機が占める市場シェアは現状の10%程度から25%に達するとの報告があります。
 •下表のとおり、日本および欧州の主要国であるフランス・ドイツ・イギリス、ならびに米国の販売台数実績ならびに今後の出荷台数の見通しをまとめました。

              2023年販売台数実績ならびに出荷台数に関する今後の見通し


<課題>
 •これまでの「海外のヒートポンプ普及状況に関する調査」では欧米におけるヒートポンプ導入の課題について、以下のとおり取りまとめていますが、今回は「②エネルギー価格(ランニングコスト)」の掲載情報を更新しました。

  ①設備の初期投資費用(イニシャルコスト)
  ②エネルギー価格(ランニングコスト)
  ③設置事業者の不足
  ④冷媒規制
  ⑤その他:「技術開発」「サプライチェーンにおけるボトルネック」「その他」

詳細は以下のリンクに掲載の調査報告書をご確認ください。
https://www.hptcj.or.jp/Portals/0/data0/material/foreign/documents/20241113KaigaiHPFukyuuTyousa2.pdf

《調査報告書登録先》
 エネルギー情勢・政策「海外編」

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この件に関するお問い合わせ先
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター 業務部 担当 田中
 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目28番5号 ヒューリック蛎殻町ビル6階
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