News Release

2024年11月26日
 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター


ヒートポンプと他脱炭素技術との経済波及効果比較分析について



〇調査の背景・目的
 我が国では、「GX実現に向けた基本方針」、「GX推進戦略」に沿って、国内産業競争力の強化の観点を踏まえ、「日本が産業として勝っていける分野」を対象にGXの実現に向けた投資促進策が進められております。
 「分野別投資戦略」にて示された16分野において様々な脱炭素技術に対する投資が予定されている一方で、海外依存度が高い技術である場合、国内産業競争力の強化に寄与せず、投入した資金が海外に流出してしまう可能性があります。
 本調査では、国内メーカーのシェアが高いヒートポンプ技術について、投資による国内への資金の還流率、経済波及効果※1に着目して分析を行いました。
 ※1)経済波及効果に関する補足説明は以下をご覧ください。

〇調査概要
 今後の普及が期待される家庭用ヒートポンプ給湯機、業務用ヒートポンプ給湯機、産業用ヒートポンプの3つ(以下、ヒートポンプシステム)を対象に、国内主要メーカーへのヒアリングや各種文献・資料からサプライチェーン構造や要素別のコスト構造、国内調達比率を調査し、それらの調査結果を踏まえ、産業連関表を用いて経済波及効果分析を実施いたしました。
 また、分析結果の比較対象として、「分野別投資戦略」にて重点分野として示されている定置用蓄電システムについても同様の調査、分析を併せて実施いたしました。

〇調査結果
 ヒートポンプシステム、定置用蓄電システムともに、今回分析の対象とした期間(2023~2030年度)の新規導入に伴い発生する累積コスト以上の経済波及効果が見込まれることが確認されました。
 特にヒートポンプシステムは、製品自体の国内生産率が高く、製品の主要な部品も国内調達率が高いこと、機器本体に加えて施工や工事等も発生することから、投入コストに対する国内への還流率が高く、新規導入に伴い発生する累積コストの約2.0倍となる9兆8,400億円の生産誘発効果が見込まれます。また、生産額から原材料等の中間投入を除いた正味の経済波及効果を表す粗付加価値誘発額においても、累積コストの約1.1倍となる5兆1,400億円の波及効果が発生することが確認されました。
 ヒートポンプシステム等の国内への還流率の高い技術に対する投資等の支援は、脱炭素化に貢献するだけでなく、国内産業競争力の強化の観点からも有効であることから、より一層の加速が期待されます。

【参考】定置用蓄電システムの経済波及効果 ()内は新規導入に伴い発生する累積コストに対する倍率 
    生産誘発額:1兆9,600億円(1.2倍)、粗付加価値誘発額:1兆400億円(0.6倍)

 詳細は以下のコチラに掲載の調査報告書をご確認ください。

  ○【概要版】ヒートポンプと他脱炭素技術との経済波及効果比較分析について

  ○【詳細版】ヒートポンプと他脱炭素技術との経済波及効果比較分析について

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※1)経済波及効果に関する補足説明



 

                                                以 上

              
                   
この件に関するお問い合わせ先
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター 業務部 担当 平田
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