News Release

2013年 12月20日
 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター

  空調用水蓄熱槽を利用した「生活用水」「消防用水」に関するアンケート結果について
           
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター(東京都中央区、理事長:小宮山 宏)は、ピーク電力削減、省エネ・省CO2や事業継続計画の観点から注目されるヒートポンプ・蓄熱システム※1 の普及拡大に取り組んでおります。この度、空調用水蓄熱槽を利用した「生活用水」「消防用水」に関するアンケートを実施しましたので、その結果をお知らせします。
※1 ヒートポンプは、空気、水などの「熱」を集めて、冷暖房や給湯などに利用する高効率な技術です。蓄熱システムは、ヒートポンプ機器で製造した冷温水などの熱を蓄熱槽に蓄えることにより、熱の生産と消費を時間的にずらすことが可能なシステムです。

非常災害時における空調用水蓄熱槽の「生活用水」「消防用水」としての利用状況

地域の防災に貢献する事業者の取組みとして、非常災害時に、水蓄熱槽の保有水を生活用水や消防用水として行政(自治体)などへ提供することがあげられます。
全国の熱供給事業者(79 事業者)の内、水蓄熱槽を保有している熱供給事業者(38事業者・59 区域)を対象として、アンケート調査を実施した結果は以下のとおりです。 

アンケート対象熱供給事業者: 38 事業者・59 区域 [ 回答率 93% ]

   

★ 生活用水として利用

  1. 非常災害時に生活用水として、行政(自治体)へ提供することについて、協定を締結している[ 4% ]
  2. 行政との協定は締結していないが、行政から要請があれば生活用水として提供できるようマニュアルなど準備は整っている[ 2% ]
  3. 生活用水として行政への提供は考慮していないが、所内や熱供給区域内で利用する[ 18% ]
  4. 生活用水として利用することは考慮していない[ 74% ]
  5. その他の取組み[ 2% ]
  • 非常災害時に、水蓄熱槽の保有水を「生活用水」として利用する区域は、24%(①+②+③)であった。
  • 行政(自治体)と協定を締結している区域は、4%(①)であった。
  • 熱供給区域内のビルの管理組合等と協定を締結している事業者もみられた。
  • 地域単位でISO22301(事業継続マネジメントシステム)の認証を取得した事業者もみられた。
  • その他の取組み2%(⑤)については具体的な方策を検討中とのことであった。
  • 現状を踏まえ、非常災害時の「生活用水」として、地域防災上有効である水蓄熱槽の積極的な利用が期待される。
 

★ 消防用水として利用

  1. 水蓄熱槽を消防水利※として所轄の消防から指定されている[ 16% ]
  2. 消防水利の指定はされていないが、消防用水として提供できるようマニュアルなど準備は整っている[ 4% ]
  3. 消防用水として利用することは考慮していない[ 78% ]
  4. その他の取組み[ 2% ]
※消防水利とは,消防法第20条第2項に規定する消防に必要な水利施設及び同法第21条第1項の規定により消防水利として指定されたもの(消火栓、防火水槽、プール、井戸等) 
  • 非常災害時に、水蓄熱槽の保有水を「消防用水」として利用する区域は、20%(①+②)であった。
  • 水蓄熱槽を消防水利として指定されている区域は16%(①)を占めた。
  • 熱供給区域内のビルの管理組合等と協定を締結している事業者もみられた。
  • その他の取組み2%(④)については具体的な方策を検討中とのことであった。
  • 現状を踏まえ、非常災害時の「消防用水」として、地域防災上有効である水蓄熱槽の積極的な利用が期待される。
 
 

<参考> 東京都における空調用水蓄熱槽の消防水利指定状況

東日本大震災を踏まえ、行政は必要な消防水利の確保に努めているところです。一方、事業者は、事業継続計画や地域防災への貢献の観点から、水蓄熱槽の防災機能に注目しており、今後益々の水蓄熱槽の普及拡大が期待されています。
2011年度末における全国の水蓄熱槽の設置件数は2,825件にのぼります。この内、東京都における100m3以上の水蓄熱槽の設置件数は545件であり、消防水利として指定されているものは47件(2012年度末)です。
今後、事業者が積極的に蓄熱システムを採用し、水蓄熱槽を消防水利として利用するような取組みが期待されています。 
           
全 国 東 京 都 
設 置 件 数 設 置 件 数 (100m3以上) 消防水利指定件数
2,825 件 545 件 47 件
                                   
なお、水蓄熱槽を消防水利として指定される基準は、消防庁告示による「消防水利の基準」で定められており、事業者はこの基準に基づいて設置しなければなりません。

 

PDFダウンロード別添資料1:空調用水蓄熱槽を利用した「生活用水」「消防用水」に関するアンケート
  
PDFダウンロード別添資料2:空調用蓄熱槽水を消防用水として使用する場合の取扱いについて
(平成9年3月6日 消防予第42号)
  
PDFダウンロード別添資料3:消防水利の基準(平成17年6月 消防庁告示第10号)
 
PDFダウンロード別添資料4:先進事例紹介 東京スカイツリー地区
 
PDFダウンロード別添資料5:ヒートポンプ・蓄熱システムの事業継続計画(BCP)活用に関する報告書

 PDFダウンロード【印刷用】本ニュースリリースのPDF形式ファイル

 

この件に関するお問い合わせ先
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター 業務部
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