ヒートポンプの普及による経済効果等に関する調査結果の公表について

2010年 6月 8日
財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター


 ヒートポンプ経済効果研究会(財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター、一般社団法人日本エレクトロヒートセンターおよび株式会社三菱総合研究所)は、ヒートポンプの普及拡大による経済効果等に関する調査結果を報告しました。 

 

○ヒートポンプ普及拡大による経済効果

 CO2削減効果が大きい「燃焼式熱源機器から高効率ヒートポンプ機器への転換」を中心とした機器設備導入増に伴う経済効果を試算しました。当該ヒートポンプが普及拡大することにより、2020年(2030年)には直接効果として1.8兆円(約2.2兆円)、ヒートポンプを製造するための原材料などによる生産誘発効果として同約4.6兆円(約5.6兆円)の経済効果が見込まれます。また、この経済効果による雇用創出は同23万人(約28万人)と推定されます。(別途資料参照)

 

  ヒートポンプ普及拡大による経済効果の見通し(中位ケース)

 

2020

2030

直接効果1(十億円)

1,815

2,196

生産誘発2(十億円)

4,636

5,636

雇用創出(千人)

234

283

   ※1 直接効果とは、ヒートポンプが販売、設置されることにより発生する経済効果(最終需要額)。
   ※2 生産誘発とは、ヒートポンプを製造するために新たに必要となる原材料や燃料などの中間需要を満たすために発生する生産額。

 

 なお、本報告書範囲外のヒートポンプ機器の直接効果は約1.5兆円と推計1)されます。よって、生産誘発係数が各シナリオと同じと仮定した場合、ヒートポンプ全体の経済波及効果(直接効果+生産誘発効果)は2020年に約12兆円、2030年に約13兆円と推計されます1)[2020年の直接効果 3.3兆円、生産誘発 8.4兆円。2030年の直接効果 3.7兆円、生産誘発 9.5兆円。]

 

 低炭素社会実現のためにヒートポンプと同様に高効率機器普及拡大が期待されている照明分野の市場規模の約0.76兆円2)と比較して、ヒートポンプ機器全体の市場規模は大きく、大きな国内経済波及効果があります。高効率ヒートポンプの一例であるエコキュートのCO2削減費用対効果(耐用年数期間のCO2削減量/初期費用)は太陽光発電よりも3割以上良くなります1)。よって、高効率ヒートポンプは「効率的なCO2削減」と「大きな国内経済効果」、「健康な生活のための快適性維持」の三要素を満たしたCO2削減手段といえます。


  1)  財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センター試算

 2)  矢野経済研究所試算



○ヒートポンプ・蓄熱システム普及によるCO2排出量削減のポテンシャル・見通し

 ヒートポンプ普及によるCO2排出削減見通し中間とりまとめ(20071月、()ヒートポンプ・蓄熱センター)において、住宅や店舗・ビルなどの民生部門の空調・給湯需要や産業部門の工場空調・加温・乾燥のボイラ代替(100℃未満)としてヒートポンプを利用した際のCO削減ポテンシャルを合計すると1.3億トンとなることを公表して参りました。今回、新たに産業部門における高温域(100℃以上)並びに農業用ヒートポンプのCO削減ポテンシャルを合算すると約1.4億トンとなります。今回の想定通りヒートポンプが普及した場合のCO排出量削減見通し(中位ケース)は約3200万トン(2020年)、約5700万トン(2030年)と想定されます。

 

別添資料1:ヒートポンプ普及拡大による経済成長寄与の見通しについて(発表資料)

別添資料2:ヒートポンプ普及拡大による経済成長寄与見通しに関するとりまとめ(報告書)

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