家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機”エコキュート”の累計出荷台数         900万台突破について

 
2023年9月21日
 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター

家庭用 自然冷媒ヒートポンプ給湯機”エコキュート”の累計出荷台数900万台突について
 

 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターは、家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート※1」の普及拡大に取り組んでおりますが、本年8月末現在の累計出荷台数(一般社団法人日本冷凍空調工業会の統計値)が900万台を突破いたしましたので、お知らせいたします。
 エコキュートは、再生可能エネルギーである大気中の熱を利用する「ヒートポンプ技術」によりお湯を沸かす電気式給湯機であり、その高い省エネルギー性に加え、「再生可能エネルギー熱利用技術」としても注目が高まっています。
 また、太陽光発電設備等再生可能エネルギー電源で発電した電力によりお湯を沸かすことで、「ヒートポンプによる再生可能エネルギー熱利用」×「カーボンフリー電力の活用」=「給湯需要の脱炭素化」が実現します。さらに、再生可能エネルギーとして定義される大気中の熱の活用により、日本におけるエネルギー自給率の向上にも繋がるものと考えられます※2
 なお、近年の再生可能エネルギー電源の大幅な増加により、春秋等の低需要期を中心として再生可能エネルギー電源の出力抑制が行われる中、お湯を沸かす時間を従来の夜間から昼間にシフトすることにより、再生可能エネルギー電源の出力制御を抑制するディマンドリスポンスとしての活用も期待されています。
 一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターは、引き続き、カーボンニュートラルの実現ならびにエネルギー自給率の向上に向けた需要側対策の切り札として、エコキュートの一層の普及拡大を推進してまいります。

※ 1)「エコキュート」の名称は、電力会社・給湯機メーカーが自然冷媒 CO2 ヒートポンプ式給湯機の愛称として使用しているもので、関西電力株式会社の
   登録商標です。
※ 2)ヒートポンプ・蓄熱センター「ヒートポンプによる再生可能エネルギー熱利用量の推計結果の報告(2022/9/1公表)」

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○エコキュートの累計出荷台数の推移

参考情報

【ヒートポンプの仕組み】
 大気中の熱を熱交換器で CO2 冷媒に集め、その冷媒を圧縮機でさらに高温にして、お湯を沸かす仕組みです。大気中の熱を上手に活用するため、投入した電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを得ることができ、高い省エネルギー性を実現しています。

 





【ヒートポンプを巡る最近のトピックス】

○国内の動き
《2023年7月 GX推進戦略が閣議決定》
 GX推進戦略が閣議決定され、その中においても熱需要の脱炭素化・熱の有効利用に向け、家庭向けにはヒートポンプ給湯器や家庭用燃料電池などの省エネ機器の普及を促進するとともに、産業向けには産業用ヒートポンプやコージェネレーションも含めた省エネ設備等の導入を促進する方向性が示されました。

《新築住宅の省エネ基準 2030年にZEH水準へ引き上げ》
 2030年度以降に新築される住宅は、ZEH水準の省エネ性能確保が求められます。ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内空間の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
 ヒートポンプ給湯機は高効率給湯器であるため、ZEH住宅拡大に合わせ、更なる普及拡大が見込まれます。

 ○国際的な動き
《国際エネルギー機関(IEA) 「The Future of Heat Pumps」の発行》
 2022年11月にIEAから世界規模でヒートポンプに特化したものとしては初の報告書となる「The Future of Heat Pumps」が発行されました。同報告書の日本語版を当センターホームページにて公開しております。
                   (https://www.hptcj.or.jp/study/tabid/1710/Default.aspx

《G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合の開催》
 2023年4月15日・16日に札幌市で開催されたG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合の共同声明にて、下記の通りヒートポンプに関する内容が言及されました。

産業・運輸・建築部門の脱炭素化

・建築物:新たな化石燃料による熱システムのフェーズアウトと、ヒートポンプを含むよりクリーンな技術への移行を加速させることを目指す。

<エネルギーセクターの移行>
・クリーンエネルギーサプライチェーン:遅くとも 2050 年までにネット・ゼロ排出という共通目標を達成するために、電解槽、ヒートポンプ及び電池などのクリーンエネルギー技術の製造及び設置への投資を拡大すること。

      出典:環境省報道発表資料(https://www.env.go.jp/content/000127829.pdf



《「海外のヒートポンプ普及状況に関する調査」報告書の公表》

 海外のヒートポンプ関連の政策状況や今後の見通し等に関する同調査報告書を当センターホームページにて公表しております。
            (https://www.hptcj.or.jp/index/newsrelease/tabid/2143/Default.aspx

                                               以 上